手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

Category Archives: 税務関連

1 3 4 5 6 7 12

連日のコロナ対応で忙しく、今日はかなり久しぶりのブログ更新となりました。

持続化給付金が事業所得以外の雑所得でも対応できるようになったなどの持続化給付金の情報や家賃の給付金の情報、そのほかにも雇用調整助成金の上限が15,000円と拡大したことなど、コロナ対応の話題も多いのですが、あえて、今日はコロナを離れたいと思います。

住民税の徴収方法についての話です。

まず、住民税の徴収方法は二通りあります。

一つは特別徴収というものです。これは給与から天引きされる徴収方法です。6月をスタートとして翌年5月の12回に分けて給与から天引きされ、会社が納付するというのが特別徴収です。

もう一つが、普通徴収というものです。これは自分で納付書を使って納付する方法です。給与ではなく、事業所得や不動産所得の方はこちらの方法となります。6月、8月、10月、1月の年4回に分けて納付する方法です。

では、給与所得者で事業所得もあるような場合、住民税はどう徴収されるのでしょうか。

原則的にはこれは納税者が選択します。では、どうやって選択するのかというと、これは確定申告書の際に記載する欄があります。

確定申告書の第二表の下の方に「給与所得以外の所得の住民税の徴収方法」という欄があり、そこに「給与から差引」と「自分で納付」という二つがあります。どちらかに印をつけることになっています。

「給与から差引」を選択すれば、特別徴収されます。「自分で納付」とすれば、給与以外の所得分は普通徴収となり、ご自宅へ納付書が届くようになっています。

それで、先日、私の顧問先であったのですが、この確定申告書の第二表に印がついていない場合の取り扱いです。どうやらこれは自治体によって異なるようです。

印がついていない場合、給与から天引きする(特別徴収にする)自治体と、印がついていない場合にいは普通徴収とする自治体の両方があるようです

お住まいの自治体がどちらなのか確認してみてもいいのですが、そもそも、自分が副業をしていて、会社にそのことを知られたくないという事情があるのでしたら、確定申告の際、申告書の第二表の下の欄のチェックを忘れずにやるようにしましょう。

また、副業の内容が事業所得ではなく、給与所得の場合には合算されて特別徴収されます。あくまでも副業の分の住民税を自分で納付する方法は「給与所得以外」のためです。

確定申告書の第二表の下の欄というのは多くの人はあまり気にかけないかもしれませんが、確定申告が終わった後で不都合がでないようによく注意しましょう。

ということで、今日は久しぶりのブログ更新でコロナを少し離れた話でした。



新型コロナウィルス感染症の影響は税金の申告や納付にも及んできました。これからたぶん、特に、消費税や源泉所得税といった税金の支払いができないという相談が増えるのではないかと思います。

申告や納税が期限までにできないという場合にはどうしたらいいのか、その基本的なやり方をここでは説明します。

まず、申告を延長したい場合です。

新型コロナウィルス感染症の影響によって申告期限を延長したい場合は、別途、申請書等を提出していただく必要はありません。当初の申告期限以降に、申告書を提出する場合には、申告書の右上の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延⻑申請」と記載すればそれでいいことになっています。

これは、所得税、法人税、消費税、贈与税などの国税の税目に共通の話です。

また、e-taxの方法によって申告する場合には、右上の余白に記載することはできません。e-taxの場合には、「電子申告及び申請・届出による添付書類送付書」というe-taxの場合に添付できる書類に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延⻑申請」と記載することになっています。e-taxの場合には注意して申告してみてください。

このように申告の延長したい場合には、それほど難しい話ではないです。忘れずに申告書に記載するようにしましょう。

次に税金の申告をしたあとの納付ができない場合の納税猶予の話です。

まず、法人税・消費税などの国税の納税猶予のルールです。

納税猶予ですから、税金の支払いを後にできるという話です。支払いしなくていい話ではないですからまずは勘違いしないようにしてください。

当たり前ですが、税金というのは期限までに支払わないと延滞税や加算税などの罰金的な税金が課されます。それが、納税猶予のルールにのっとった場合、延滞税等の罰金的な税金の一部が免除されたり、罰金的な税金は支払わなくてよくなったりするというものです。

まず、もともと、税金の納付ができない場合には①換価の猶予②納税の猶予という2種類の納付を猶予する制度が存在します。①換価の猶予というのは、国税の滞納が他にないとか納付期限から6カ月以内の申し出があるという場合に、最大で1年間、納税が据え置かれる場合のことです。②の納税の猶予というのはある一定の猶予期間中に分割納付をする場合をいいます。納税者の資力に応じて分割納付していくことを言います。

もともとこうした制度があるわけですが、今回、新型コロナウィルスの関係で「特例猶予」というのができました。これは、1年間の納税の猶予を受けられ、しかも延滞税なしとなっているものです。

では、これを受けるにはどういう条件が必要なのでしょうか?

令和2年2月1日以降の任意の1か月以上の期間で前年同期と比べて「事業にかかる収入」がおおむね20%以上減少していることを要件とされています。

また、「事業にかかる収入」というのは通常は「売上高」です。ですから、個人事業者の場合には、一時所得のようなものは除外されます。フリーランスの方や白色申告者も事業所得があれば受けられます。また、今回の「持続化給付金」や東京都などの「感染拡大防止協力金」のようなものも除いて計算します。前年同期で、通常の事業の収入が20%以上減少していることが要件となっています。

また、収入の減少率が20%以上でなくてもこれから売り上げの減少が見込まれる場合も対象となります。それから、前年同期に事業を行っていなくても直近1年程度の売り上げのわかる資料があればそれで認められることもあるようです。

さて、この「特例猶予」を受けるにはどうしたらいいのでしょうか?

まず、この「特例猶予」を受けるためには納期限までに申請が必要です。「納税の猶予申請書(特例猶予用)」という申請書を税務署に提出してはじめてこの「特例猶予」を受けることができます。自動的に猶予が受けられるわけではないですから注意しましょう。また、令和2年2月1日から令和2年6月 30 日までであれば納期限後であっても申請できます

もし、特例猶予を受けたい場合には、この申請書を期限内に出して猶予を受けるようにしましょう。

それからこの「特例猶予」が受けられない場合でも、もともとある納税猶予が受けられる可能性があります。 もともとある猶予は、納期限から6か月以内に申請が必要となりますから、売上が20%までは下落していない場合などは、もともとある制度の利用を検討してみましょう。(延滞税の税率は猶予期間中は8.9%の延滞税が1.6%となっており、もともとある猶予であっても、通常よりも税率は低くなっています。)

上記は法人税や消費税などの国税の納税猶予です。これらと同様に、源泉所得税の納税猶予もあります。

こちらはやり方が2種類あります。

一つは「災害による申告、納付等の期限延⻑申請書」という申請書を提出し、承認を得ることで、個別延⻑をする場合です。「新型コロナウィルスの影響により」と記載して、対象とする源泉所得税の期間を記入すればそれで足ります。

もう一つは源泉所得税の納付書自体に記載する方法です。この方法の場合、納付書の下にある「摘要」という欄に「新型コロナウィルスによる納付期限延長申請」と記載するだけです。

こちらの方法の方が簡単かもしれません。この方法の場合には、実際に源泉所得税を納付した日が納付期限の日となります。ですから、この方法によれば、延滞税などは発生する余地はありません。

申告や納税が難しい場合、これらを先延ばしにできる制度があります。この際はこうした制度を利用をまずは検討してみてはいかがかと思います。

VMO新型コロナウイルス対策支援


今日は持続化給付金のいろいろな論点についてお知らせしたいと思います。

まず、持続化給付金の申請はご本人以外はできません。つまり、税理士や会計士、行政書士といった代理人に申請手続きを依頼することはできないとされています。

これは持続化給付金の申請のFAQの問11に書かれています。

Q11.代理の名義で申請は可能なのか。

申請は、法人(代表者)、個人事業者ともに、本人による申請となります。電子申請の際、身近な方や日頃手続きのご相談をされている方などに、申請の支援をして頂くことは問題ありません。ただし、持続化給付金の代理申請や代行入力などを装った詐欺にはご注意ください。

この持続化給付金の申請はご自身(会社であれば代表者)以外はできないものです。この持続化給付金の申請はそれほど難しいものではないので、別に誰かにやってもらうまでもなくご自身で申請できます。ご用意いただくものもそれほど複雑なわけではないので、もし顧問税理士等がいらっしゃれば多少、アドバイスしてもらえれば問題なくできるものではあります。

ただ、私の個人的な意見ですが、実際、この持続化給付金の申請は、普段、顧問税理士などがいて申告をこうした方に依頼している場合、税理士などがやったほうが手続きはスムーズにいくだろうと思います。私が思うに、顧問税理士などがいれば、申請手続きをお手伝いいただく(わからない部分を少し聞く)などすればご自身で申請できるでしょう。

ともあれ、経産省は一応、代理申請してはいけなくて、申請の支援(税理士などが申請することを手助けする)ことは認めていますよという立場のようです。税理士会からもわざわざメールがありました。一応は自分以外(会社の場合代表者以外)は申請はできないとなっているので、そのことはご承知おきいただきたい点です。

ただ、一方で東京都の感染拡大防止協力金についてはむしろ、税理士や会計士、行政書士といった専門家に依頼して提出することを推奨しています。こちらは東京都が8000円を上限として専門家に依頼した手数料を支払うことになっています。

持続化給付金は自分で申請、東京都の感染拡大防止協力金は顧問税理士などに依頼するというところなのでしょうか。持続化給付金の方は代理申請はできないという点、改めて確認してください。

それから、直前の事業年度の確定申告が完了していなくても持続化給付金の申請ができることとされています。

たとえば、3月決算法人の会社だったとします。その場合で2020年3月の申告をする前で、4月の売り上げが2019年4月の売上より50% 以上減少していたとします。その場合、2020年3月の申告をしなければ持続化給付金の申請ができないのかという話です。

これは、2020年3月の申告をしなくても持続化給付金の申請ができることとされています。

この場合には、2018年3月決算で申告した2018年4月の売上高と2020年4月の売上高を比較して50%以上、売上げ減少していたら持続化給付金の申請ができます

ちょっと特徴的な点ですから注意が必要な論点です。

また、個人事業者で2019年の確定申告をまだしていない場合には確定申告をしないと持続化給付金の申請ができないのかというとそれも同様の話です。この場合、2018年の確定申告がされていれば持続化給付金の申請が可能となります。

2019年の申告がされていなくても申告済みの2018年4月の売り上げと2020年4月の売り上げを比較して50%以上減少していれば持続化給付金の支給対象となります。

このように直近の年度の申告がされていなくても持続化給付金の申請が可能なケースがあることは知っておいていいことです。

それから、聞かれる項目としてあるのは、持続化給付金としてもらった金額はどう経理処理するのかという話です。これについては、経産省のFAQに次に用に書かれています。

Q15.持続化給付金は課税の対象となるのか。

持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。

持続化給付金として入金された金額はどう経理処理されるのか、つまり、所得税や法人税は課税されるのかという点ですが、入金された金額は法人税もしくは所得税は課税されます。ただし、経産省のFAQには書かれませんでしたが、消費税はいわゆる「不課税」売上です。つまり、消費税は課税されません。

所得税・法人税は課税、消費税は不課税と覚えておけばいいでしょう。

また、東京都の感染拡大防止協力金のような休業協力金のようなものが各都道府県にありますが、これもやはり所得税・法人税は課税され、消費税は不課税となります。

この論点は、持続化給付金が出てきた段階から非課税にできないのかという議論があったようです。しかし、結局、持続化給付金を受ける事業者はそもそも赤字である可能性が高く、赤字であれば、損金(個人事業の場合には必要経費)として出ている金額が多いはずでそれと相殺すればいいのではないかという結論に至ったようです。

経理処理上は「雑収入」などの勘定科目で経理処理する形になるだろうと思います。

ちなみにですが、国民全員に一律支給される10万円の特別定額給付金ですが、これは所得税・住民税は非課税とされていますからこちらは受け取っても申告の必要はありません。

ということで、持続化給付金の様々な論点について書いてみました。

VMO新型コロナウイルス対策支援


今日も新型コロナウィルスの関係の話です。新型コロナウィルスの関係で売り上げが減少した事業主に対して固定資産税が減免されるという話です。

今回対象となる固定資産税は、中小企業が事業用として使用する家屋や償却資産にかかる固定資産税です。売上の減少幅に応じて、2分の1もしくは全額が免除されます。

令和2年2月から10月までの間のどこかの月の売上高が昨年の同じ月と比べて30%以上50%未満に減少している場合には2分の1に減額され、50%以上減少している場合には、固定資産税が全額免除されます。

この措置の適用を受けるには「認定経営革新等支援機関等に申請する必要があります。認定経営革新等支援機関等は、売上の減少を確認して認定します。事業者はその認定経営革新等支援機関の認定をもって、来年1月に行う償却資産の申告時に固定資産税の減免の申告をします。

経営革新等支援機関というのは、税理士や税理士法人がほとんどです。(一部、金融機関だったりします)だいたいは、税理士に依頼すれば経営革新等支援機関の認定を受けているはずです。また、これらの認定制度はこれから詳細な法整備がされます。詳細が分かったらまずは税理士に相談してみましょう。

それから、この固定資産税の軽減の対象となるのは、令和3年度の固定資産税です。ですので、今年の6月ごろに納税通知書が届いて納付する固定資産税は関係ありません。今年の固定資産税の納付が困難な場合には、納税猶予制度というのがあるのでそれを利用することになります。その点も注意しましょう。

なお、対象となるのは「中小事業者等」です。中小事業者等とは、資本金1億円以下の法人や常時使用する従業員の数が1000人以下の法人もしくは個人を指します。

ということで、今日も新型コロナウィルスに関係する情報提供の話でした。



新型コロナウィルス関係で、日々、情報が更新されています。最新の情報をチェックする必要があります。

申告期限が4月16日に延期されたことに伴い、振替納税がいつになるのかがわかりませんでした。

国税庁のHPによると、所得税が5月15日、消費税が5月19日に延期されたとのことです。

なお、延納する場合には、2回目は6月1日(5月31日が休日のため)です。

また、その他の予定納税の期日は変更はありません。

それから、盲点となりがちなのは住民税です。

今回4月16日に延期された税目は「所得税」「(個人)消費税」「贈与税」です。住民税は入っていません。たとえば、住民税だけを申告するケースもあるでしょう。これは延長の対象になっていません。それぞれの自治体に確認が必要です。

また、申告期限が4月16日に延期されたことに伴って、住民税の課税事務が遅れてしまうという問題があります。

従来は所得税の申告が3月15日までにされて、その申告書が市区町村の課税課に回ってきて住民税の計算をし、原則としては5月末までに納税通知をするという流れでした。これに遅れが生じる可能性があります。

毎年よりも住民税の通知が来るのが遅くなるかもしれないです。

以上、振替納税と住民税の申告という少し見落としがちな論点でした。



12月決算、確定申告、コロナウィルス・・・

いろいろと重なってなかなかブログが更新できませんでした。今日は久しぶりの更新です。

今日のテーマは新型コロナウィルスに対する中小企業対策の話です。

この1週間くらいの間に相次いで政府が対策を発表しています。

現状で分かっている範囲で、中小企業対策として出ているものをまとめましたので参考にしていただければ幸いです。

中小企業の経営者の観点からこの新型コロナウィルスに対する中小企業対策をみると大きく三つあります。いろいろなものが出ているのでわかりづらいかもしれませんが、三つと分類すると理解がしやすくなるのではないかと思います。

  • 確定申告期限が延期されています

これはネットのニュースやテレビなどの報道でも大きく報じられているのでご存じの方も多いでしょう。今回の新型コロナウィルスの関係で、大勢の人が確定申告期限の税務署という狭い空間に集まってしまい感染が広がることを防ぐという観点から、申告期限が3月16日(今年は3月15日が日曜日のため、もともと期限が3月16日になっていました)をちょうど1か月延期して、4月16日になっています(4月15日ではないです)

対象の税目は、「所得税」「消費税」「贈与税」です。

もともと個人事業者の消費税の申告期限は3月31日ですから、消費税に関しては1か月ではなく16日延期されることになります。

また、申告の方がクローズアップされているので見落としがちですが、申告に伴って納付の方も延期になります

ここで問題なのは振替納税がどうなるのかです。振替納税(口座から引き落としになる方法)での所得税の支払いの場合、いつ口座引き落としになるのかが現状(3月5日時点)では発表されていません。納付書で納付する場合には、申告期限の4月16日でいいのですが、振替納税の場合、いつ引き落としになるのか、この点は国税庁の発表を待つ必要があります。

それから、対象税目が「所得税」「贈与税」「消費税」となっています。法人の申告は延期にはなりません。すでに終わっていますが、12月決算法人の申告・納付、1月決算法人の申告・納付は従来通りです。

  • 緊急融資対策が出ています。

新型コロナウィルスに対する中小企業対策として私がある意味、最も注目しているのはこの融資の関係です。

新型コロナウィルスの影響で売り上げの減少が現に発生していたり、見込まれる場合、金融機関の制度融資が創設されています。

「制度融資が創設」と書きましたが、実際には従来ある制度の要件を緩くしたものです。大きくは次の二つです。

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付

従来からあるわけですが、通常の要件は前年同月比の3カ月平均で売り上げが5%以上減少していることというのが主な要件にありました。この5%売り上げが減少するという要件がなくなり、今回のコロナウィルスの関係で売り上げの減少が認められる場合にも対象となることになりました

このセーフティネット貸付は、現在、日本政策金融公庫での融資を受けていてもそれとは別枠でされている融資制度なので、利用がしやすいといえます。

ちなみに、金利は中小事業の場合、1.11%(2月3日現在の金利です。経済産業省の資料によります)ということです。

信用保証協会融資の4号融資・5号融資

これも従来からあるもので、公庫のセーフティネット貸付に似ています。従来の要件としては、前年同月の3カ月平均の売り上げが5%以上減少するというのが主な要件です。これを3カ月平均ではなく、前年同月の1ヶ月だけでいいとなっています。

実際に売上の減少がある場合には、②の保証協会の制度も検討に値しますし、来月以降、売上の減少が見込まれるような場合には政策金融公庫のセーフティネット貸付を検討してもいいでしょう。

融資に関しては、資金が底をついてからでは遅すぎます。早め早めに対応をするのが鉄則です。その意味で、現状で、例えば、介護施設などでデイサービスの利用控えが発生している場合や治療院などでも患者さんが減少している場合など、新型コロナウィルスの影響がすでに売り上げに出ている(あるいは影響が出る見込み)場合には、先手を打ってこれらの制度融資の活用を考えてもいいと思います。

  • 雇用調整助成金の要件が緩和されています。

今回の件で、実際にコロナウィルスに感染したり、感染にまでは至らなくても休ませたりした場合に使える可能性があるのが雇用調整助成金です。

会社の命令で社員を休ませた場合、欠勤なので給与から控除するわけですが、会社が命令して休ませる場合、その分、給与を保障しないといけません。控除した金額の6割を休業補償として支払わなければいけないというルールがあります。これを休業補償といいます。この休業補償を支払った場合、その支払った金額の範囲で雇用調整助成金という助成金が出ます。この助成金は従来からあるものですが、今回はこの要件が緩和されています。本来はこの助成金を使う場合、先にまず計画書を出さないと対象にならないのですが、今回のコロナウィルスが原因で休業命令をした場合、計画書は5/31までにあとから出せばいいことになっています。

また、本来は前年同月の3か月で比較して売り上げが10%以上減少している場合に対象になるものですが、1ヶ月で比較していいことになっています

休ませるのはコロナウィルスの感染でなくても単に発熱して休ませる場合にも対象になります。もしこうした社員がいて、売上が前年同月と比べて下がっている場合、使える可能性があります。

助成金の金額は休業補償で支払った額の3分の2(労働者1名あたり1日8,330円が上限)とされています。

ただ、この助成金は対象となるのは雇用保険に加入している方です。雇用保険に加入していない非正規雇用の方(パートなど)は対象となりません。この点が現在、問題となっている点で、政府はこうした方も対象となるような助成金制度を創設するといってはいますが、現状では雇用保険未加入者の方たちをフォローする制度はないようです。

以上が中小企業向けの新型コロナウィルスに対する中小企業対策です。

振替納税がいつになるのか、非正規雇用の方が休んだ場合の雇用調整助成金に代わる助成金制度はどういうものなのか、などまだ不透明な部分があります。

わかった範囲でまたこのブログでもお伝えできればと思います。



さて、今週の月曜日から確定申告が始まりました。確定申告の時期はなるべく確定申告の話を書いていこうと思います。

たとえば、副業で得た収入が20万円以下だったら申告しなくてもいいというのはどこかで聞いたことはありますでしょうか?今日のブログのテーマはその話です。

給与所得者(サラリーマン)が報酬の支払調書をもらったりすることがあります。

最近も、ある会社経営者の方から支払調書をもらったがそれは申告したほうがいいのかというご相談を受けました。

給与所得者の場合、年末調整をしています。原則、それで確定申告はしなくていいことになります。ただ、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。逆に、20万円以下だったら確定申告はしなくてもいいことになります。

さて、問題はここからです。

たとえば、このようなケースではどうでしょうか。

「給与以外に報酬の支払調書があり、それは10万円でした。でも、医療費控除もあります。この場合、報酬の支払調書の分は申告しないといけないのでしょうか。」

つまり、この例の場合には、給与と医療費控除の申告のみで所得税の還付だけ受けるという申告の仕方はOKかということです。報酬の支払調書の分は20万円以下だから申告しないというわけです。

しかし、これはNGです。申告するのであれば、所得が20万円以下であっても申告が必要となります。

これは、考え方の原則を知っていればおのずと理解できる話です。原則は給与以外の収入が20万円以下であろうとなかろうと、収入があれば申告しないといけないわけです。ただ、給与所得者の場合、給与以外の所得があってもそれが20万円以下なのだったらいちいち申告するのは手間なわけです。税務署としても、20万円以下の所得のような小さいものまで追いかけることは面倒なわけです。だから申告しなくてもいいよ、としているだけです。逆にあえて申告してもいいわけです。

給与所得と合わせて医療費控除の申告もするのであれば、給与以外の所得、今回の場合には報酬の分も10万円であっても申告することになります

「給与所得者の副業の所得は雑所得ではなく、事業所得で申告してもいいのか?」

これもよくある質問の一つです。

サラリーマンという本業があって、副業をしている場合には原則的には雑所得です。

事業所得か雑所得かという論点は、何度も国税不服審判所という国税に関する裁判所のようなところで審議されている論点です。その中で、事業所得となる基準を次のように示しています。

ある所得が事業所得に当たるか否かは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得であるか否かによって判断すべきであり〔最高裁昭和52年(行ツ)第12号同56年4月24日第二小法廷・民集35巻3号672頁参照〕、より具体的にいえば、営利性及び有償性の有無、反復継続性の有無、自己の危険と計算においてする企画遂行性の有無、その者が費やした精神的及び肉体的労力の有無及び程度、人的及び物的設備の有無、その者の職業、経験及び社会的地位等を総合的に考慮し、所得税法等の趣旨及び目的に照らし、社会通念によって判断すべきであると解するのが相当である。

ちょっと読みづらいでしょうが、要するに、事業所得に該当するのは以下の基準に該当する場合とされています。

  • 自己の危険と計算において独立して行う業務か
  • 営利性と有償性を有しているか
  • 反復継続して遂行されて営まれているか
  • 社会的地位が客観的に認められているか

この基準、わかりますか?そうなんです。わかったようなわからないような感じなんです。

わかりやすく言えば、どの程度、収入があるのか?どのくらいの頻度で収入があるのか?その収入は継続して入ってくるものなのか?その収入は社会的にちゃんと認められたものなのか?とまとめられます。

サラリーマンの場合、本業は給与所得となるでしょうから、副業を事業所得とするのはハードルが高いと考えるのが自然でしょう。判断基準としては、①毎月、一定程度の収入がある ②収入の金額も給与と同等とは言わないまでもある程度ある というところがあれば、事業所得として申告してもいいのではないかと思います。

ちなみに、事業所得で申告したほうが税務上は有利です。たとえば、赤字であれば損益通算して税金の還付ができます。また、青色申告で申告すれば帳簿があれば65万円の控除はできますし、10万円を超えるものでも30万円未満だったら少額減価償却資産として一度に費用に計上できます。雑所得だと青色申告はできませんし、損が出ても損益通算できませんから何かと不利なわけです。

また、20万円以上の所得というのは、収入から経費を差し引いた残りが20万円を超えるということです。ですから、収入が30万円で経費が10万円だったら所得は20万円ちょうどになるので申告はしなくてもいいことになります。

事業所得か雑所得かという話はその論点だけでいろいろなものが出てきます。それはまた改めて書いていこうと思います。

ということで、今日は副業収入が20万円未満だったら申告しなくてもいいという話でした。



今日は今回の確定申告の話ではなく、来年の確定申告の話です。来年の確定申告ということは、つまり、令和2年1月から適用になる話です。個人事業者や副業をやっている方は、知っておいたほうがいい話です。

改正項目は多岐にわたりますが、事業所得と給与所得が発生する方は関係する項目が次の3つです。

  • 基礎控除の38万円が48万円になります。
  • 給与所得者の給与所得控除が一律10万円引き下げになります。
  • 青色申告特別控除が55万円に引き下げになります。ただし、損益計算書と貸借対照表を作って電子申告で申告する場合には、65万円控除できます。

まずは①です。

基礎控除は現状より、一律10万円引き上げになります。

ただし、合計所得金額が2400万円を超える場合には、合計所得金額に応じて48万円が減っていき、2500万円を超えると基礎控除がゼロになります。

現状では、所得の金額にかかわらず、38万円控除できるわけで、所得の金額が高い人は増税になります。また、②であるように、一方で、給与所得は一律10万円控除が引き下げになるため、給与所得者は実質的にプラスマイナスゼロとなるため、増税にも減税にもならない改正です。問題なのは、副業をやっている給与所得者です。給与所得の方では10万円、所得が増えますが、事業所得や雑所得で上がっているものは基礎控除が引き上げられて10万円控除が増えます。また、給与所得者のサラリーマンが副業で事業をやっている場合、電子申告で申告すれば、③にあるように青色申告特別控除の65万円は維持できるため、基礎控除が上がった分、10万円所得が減る結果となるため、減税となります。

つまり、この改正は副業をしているサラリーマンに有利な改正といえます。

現在、働き方改革ということが言われています。働き方改革では、残業を少なくするような働き方が言われますが、同時に、副業を認めることを企業に推奨している側面もあります。税制がこうした副業をしているサラリーマンを税金の面で後押ししているともいえるわけです。

また、電子申告することで65万円の控除が維持できることとなっているため、電子申告することが必要不可欠になってきます。電子申告するには、マイナンバーカードやカードリーダーなど、一定の用意が必要となってきます。また、そもそもどのようにやったらいいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。そうすると、電子申告するために申告は税理士に依頼するという方法も考えられます。いずれにしても電子申告しないで紙で申告すると青色申告特別控除が55万円となることから、電子申告する方向性を考える必要があるでしょう。

また、65万円の青色申告特別控除を取るには、令和2年1月1日以降の仕訳帳や総勘定元帳(つまりは会計帳簿)を電磁的記録による備え付けをしないといけないとなっています。つまり、会計ソフトなどでデータを保存する方法を取らないといけないということです。

今回の令和元年の申告では要求されていませんが、1月1日以降の部分は会計ソフトを使うなどして帳簿を保存することも考えないといけません。

それから、65万円の控除を取るには申告期限までの申告が要件となっていることから、3月15日までの期限内申告も必須となります。

サラリーマンが副業で事業をやる場合や事業所得のある方については、影響のある改正の話が令和2年から始まっています。帳簿の備え付けは1月1日以降であることからすると、申告は来年だったとしても、すでに始まっている話です。

電子帳簿での保存など、今から考えないといけないテーマであることは知っておいたほうがいいでしょうね。

ということで、今日は令和2年からの税制改正の話でした。



確定申告は2月16日から提出することができますが、医療費控除などで所得税を還付するための申告書については、この1月からすでに提出することができることはご存じでしょうか?今日はその医療費控除について、改めて確認していこうと思います。

医療費控除のほかにセルフメディケーション税制というのもあります。では、どのように考えてどちらを選択していったらいいのか、把握されていますでしょうか?また、医療費の領収書は添付しなくてもよくなりましたし、健康保険組合や協会けんぽから送られてくる「医療費通知」を確定申告で使えたりもしますが、その辺のことはお判りでしょうか?

まず、医療費控除の適用を受けるのに医療費の領収書は添付しなくてもよくなったという話です。従来は、医療費の領収書は原本を確定申告書と一緒に税務署に提出していました。それが平成29年の確定申告から医療費の領収書を添付しなくてよくなりました。その代わりに「医療費控除の明細書」という書類を書いて出すことになっています。また、医療費の領収書を提出しない場合、その領収書はご自身で保管しないといけません。保存義務の期間は5年間です。

「去年の確定申告の時に医療費の領収書を出してしまった・・・」という方もいらっしゃるかもしれません。それでも問題はないです。令和元年、つまり今回の確定申告までは、医療費の領収書は出してもいいことにもなっています。出さない場合には「医療費控除の明細書」を出さないといけないという話で、領収書を出してもいいわけです。

医療費の領収書は出しても出さなくてもどちらでもいいということは、ご自身で領収書を保管するのが手間だという方は逆に、医療費の領収書を税務署に提出してしまうというのもアリだということです。

また、最近、協会けんぽや健康保険組合から「医療費の通知書」という書類が届くのではないかと思います。かかった病院や薬局などが金額とともに一覧になっているものです。この「医療費通知」は確定申告に使用してもいいことになっています。ただ、たとえば、自費診療で受けたものや、12月に病院にかかったもの、あるいは病院までの交通費などは反映されません。そうした医療費通知に反映されていないものは、別途、「医療費控除の明細書」に記載する必要があります。「医療費通知」を使って確定申告をすることもできますが、「医療費通知」に載っていない項目は別に「医療費の明細書」に書かないといけないというのは注意点です。また、この「医療費通知」は確定申告書に添付して出す必要はありませんからその点も確認しましょう。

次に、医療費控除とセルフメディケーション税制との関係についてです。

まず、この医療費控除とセルフメディケーション税制というのはどちらか一方しか使えません。通常の医療費控除で申告をしたのであればセルフメディケーション税制は使えません。セルフメディケーション税制を使って確定申告したのであれば、通常の医療費控除は使えません。両方とも「医療費控除」という項目で申告するのには変わりはないのですが、計算自体はどちらか一方しかできません。では、どういう手順でどちらを選んでいったらいいのでしょうか?

その前に、セルフメディケーション税制って何でしょうか?

セルフメディケーション税制とは、医療費の領収書の中にドラッグストアなどで購入した薬があれば、その購入費が控除の対象になるという税制です。

領収書をよく見ると「セルフメディケーション税制対象」となっているものがあると思います。領収書を見て「セルフメディケーション税制対象」となっている医薬品を集計していくわけです。そのセルフメディケーション税制対象の医薬品を集計していって、12,000円を超えたら、医療費控除に代わりにセルフメディケーション税制を使って控除することができます

ただ、このセルフメディケーション税制を使うためには、「インフルエンザの予防接種」や「がん検診」「定期健康診断」「人間ドック」などを受けていることが必要です。この税制を使うためには、これらを受けているということがわかる領収書などが必要です。インフルエンザの予防接種の領収書や、定期健康診断の結果通知などがあればOKです。

ただし、インフルエンザの予防接種や定期健康診断の費用自体は控除の対象にはなりませんので、その点は注意点です。また、通常の医療費控除は本人だけでなく、生計一親族が

受けた医療費も対象ですが、セルフメディケーション税制の対象にさせるには控除を受ける本人がインフルエンザの予防接種や定期健康診断を受けていないといけません。家族が受けていてもダメなんです。この点も注意点です。

さて、この医療費控除とセルフメディケーション税制ですが、まとめますと、次のような手順で考えればいいことになります。

  • 医療費控除の集計をして、医療費の金額の合計が10万円を超えるか、もしくは総所得金額の5%を超えるか、どちらかに該当したら医療費控除を選択する
  • 医療費の金額が10万円未満で、なおかつ、総所得金額の5%を超えていないのであればセルフメディケーション税制の適用を検討する
  • セルフメディケーション税制を受ける場合には「インフルエンザの予防接種」「定期健康診断」「人間ドック」などを控除を受ける本人が受けているかを確認する
  • ③が確認出来たらセルフメディケーション税制を適用させる

手順としては、まずは、医療費控除の検討です。通常の医療費控除が受けられないとなったら、セルフメディケーション税制を検討しましょう。

ただ、難しいのは、セルフメディケーション税制の適用になる医薬品で、医療費控除の対象にはならないものがあります。そうしたセルフメディケーション税制の対象にはなって医療費控除の対象にはならない医薬品が多い場合には、医療費控除を受けられるとしてもセルフメディケーション税制の適用を受けたほうが控除が大きくなるケースも考えられます。細かい話ですが、そうしたケースもあるんだなということも一応は知っておいていいことかとは思います。

医療費控除をめぐる税制の話というのは、実は以前よりも複雑になっています。

領収書添付の話や、医療費通知の取り扱い、医療費控除やセルフメディケーション税制の話など、このブログで改めて確認していただければと思います。



今年の確定申告から変わることがあります。書類の添付が必要なくなったものがあるのです。今日は添付書類の省略というお話です。

デジタル・ガバメント実行計画」というのを聞いたことはありますでしょうか?

これは官民データ活用推進基本法という法律に基づいたもので、行政機関に一度、提出した書類は各行政機関内で共有することによって、再度、別のところへ提出する必要のないようにする取り組みを言います。「ワンスオンリー」と呼んだりするようです。マイナンバー制度を活用することで、こうした取り組みを実現しようとするものです。

給与の源泉徴収票」というのは、通常、給与の支払い者を通じて税務署に提出されます。つまり、サラリーマン本人が出さなくても一定の要件に該当する者については会社がすでに税務署に源泉徴収票を出しているわけなんです。行政にすでに出してあるものですから、再度、確定申告の際に提出する必要はないというわけです。税務署としてはマイナンバーで源泉徴収票が紐づいていますから、すでに把握しているというわけです。

他にも、「年金の源泉徴収票」も同様の取り扱いです。そのほかにも「上場株式配当等の支払通知書」や「特定口座年間取引報告書」といったものも提出が必要なくなりました。

この提出が不要になった「給与の源泉徴収票」「年金の源泉徴収票」「上場株式配当等の支払通知書」「特定口座年間取引報告書」といった書類は、平成31年4月以降に提出する確定申告書について適用されます。たとえば、平成30年やそれ以前の確定申告書を平成31年4月以降に提出する場合にも、これらの書類の添付は必要なくなりました。

今回の確定申告の際に一緒に平成30年以前の申告書を一緒に出してしまおうとしているのでしたらこの添付書類の省略の話は平成30年以前の申告書にも有効であることを知っておきましょう。

従来から電子申告でやっている方については、そもそも源泉徴収票を出していなません。その意味で違和感はないと思います。添付書類の省略というのは、紙で確定申告書を提出する場合ですので、その点も確認しましょう。

また、書類の提出の必要がなくなったといえば、医療費の領収書も同様です。これは、平成29年の税制改正で医療費の領収書の添付が必要なくなりました。領収書はご自身で保管してその代わりに「医療費控除の明細書」という書類を書いて出せばそれで足りるとされています。医療費控除の話は次回のブログでまた書いていこうと思いますので、次回の本ブログで確認してみてください。

確定申告は2月16日からですが、給与所得者の還付申告については、2月16日を待たずに1月1日以降、すでに提出することができます。上記の取り扱いについて、知っておいたうえで確定申告書を出してみてください。

ということで、今日は確定申告で添付書類が省略されていますというお話でした。


1 3 4 5 6 7 12