手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!
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さて、先日このブログでもご案内した通り、今回の令和2年の確定申告期限が延期されました。それに伴って、これはどうなるの?というのがいくつか出てきます。それについて、国税庁のFAQに出ています。今日はそれをいくつかご紹介していこうと思います。

まず、今回の確定申告は申告期限が次のようになりました。

所得税 令和3年3月15 日(月) → 令和3年4月 15日(木)

個人事業者の消費税 令和3年3月 31 日(水) → 令和3年4月 15日(木)

贈与税 令和3年3月15 日(月) → 令和3年4月 15日(木)

振替納税(口座振替)の日

所得税 令和3年4月19 日(月) →  令和3年5月31 日(月)

個人事業者の消費税 令和3年4月23 日(金) → 令和3年5月24 日(月)

さて、一つ目の疑問です。

延納という制度があります。これは確定申告期限までに納付すべき所得税の半分以上を納め、残りを5月31日に納付する制度です。振替納税の場合には、口座振替の日に1回目、2回目は延納の日(5月31日)となります。確定申告書に記載するだけで手続きができますが、本来の納付期限から延納の日の5月31日までの利息に相当する利子税という税金はかかります。

さて、この延納ですが、今回は延納の届け出をするしないにかかわらず、所得税全体が5月31日になるため、振替納税をご利用されている方については、申告・納付期限の延長に伴う振替日の変更により、所得税の振替日が延納期限と同一日となりますので、確定申告書に延納届出額を記載した場合であっても、確定申告に基づき納付いただく税額の全額を一括して振替納税による口座引落しを行うこととなります

また、一律、申告期限が4月15日に延期されることから、既に申告を済ませている方についても納付期限は4月15日(振替納税の場合には5月31日)となります。

また、所得税や個人の消費税以外の税金、たとえば法人税や相続税などについてはどうなのかというとこれは一律、延期される今回の措置の対象外です。

ただし、個別に申請して申告期限を延長することは可能ですから、コロナの影響で法人税や相続税などの申告書が期限までに出せない場合には、その旨を届け出して個別に期限の延長をしましょう。

それから、昨年の申告書をまだ出していない人もいることと思います。

令和元年の確定申告は結局、実質的に申告期限がない形になっています。申告書を提出する際に、申告書の右上に「新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長申請」と書けば、個別に延長することが可能でした。

さて、この規定を使ってまだ令和元年の所得税の確定申告書を出していない場合もあると思います。

この場合、令和2年の確定申告書を出してしまうと、令和2年の確定申告書を提出したときに同時に令和元年の確定申告書の提出期限となってしまいます

つまり、令和2年の確定申告書を出す前に令和元年の確定申告書を出すか、もしくは、令和元年と令和2年の確定申告書を出す必要があります。もし仮に、令和2年の確定申告書を先に出してしまうと、その後に提出した令和元年の確定申告書は期限後提出となってしまいますから注意が必要です。

それから、この申告期限の延長は各種届出にも適用されます。

青色申告の承認申請などは代表例です。

たとえば、令和元年の確定申告書を提出したものの新型コロナウィルスの影響で令和2年から青色申告にするための青色申告承認申請書は提出できなかったとします。令和元年の確定申告は申告期限が二段階になっていました。

まず第一段階として、所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付のうち、その期限が令和2 年2 月27 日から同年4月15 日までの間に到来するものについては、その期限を令和2年年4 月16 日まで延長となりました。

さらに、第二段階として、この期限に申告・納付等が間に合わない方については、同年4月17 日以後であっても、申告書等の作成や提出が可能となった時点で税務署に申し出ていただければ、個別に期限延長の取扱いをすることとしていたわけです。

そして、所得税の青色申告の承認申請のような届け出関係については、同様に期限延長の対象となっていました。帳簿書類の備付け・保存などが青色申告の所定の定めに従って行われている場合には、申請によって令和2年分の所得税から青色申告をすることができます。

ただし、この場合、注意が必要なのは、令和2年4 月17 日(金)以後に修正申告や更正の請求などの手続を行った後、別の日に青色申告の承認申請を行う場合には、その申請をすることができないやむを得ない理由があったとは認められず、令和2年分の所得税から青色申告をすることはできませんから注意が必要です。

申告期限の延長に伴って、これはどうなるんだろうというのは国税庁のFAQに書かれているものもあります。今回はその一部をご紹介させていただきました。参考にしていただければ幸いです。

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さて、今日は確定申告の話です。確定申告で最も多い項目の一つである医療費控除についてです。

医療費控除とは、 その年の1月1日から12月31日までの間に自分自身かあるいは、自分自身と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合にその支払った医療費が一定額を超えるときに受けることのできる控除です。

医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
 (実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額

(1) 保険金などで補てんされる金額

(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など

(2) 10万円。ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

わかりやすくするために上記の算式のうち、医療費の合計額が10万円を超えたら控除できると簡単に説明されることもありますが、正確には上記の算式で計算します。

さて、この医療費控除ですが、今回の令和2年の確定申告からは「医療費控除の明細書」の添付が必須となります。

令和元年の確定申告までにも「医療費控除の明細書」で確定申告書を提出された方もいらっしゃると思います。経過措置で「医療費控除の明細書」ではなく、独自に集計して医療費の領収書自体を提出してもいいことになっていました。今回の令和2年の確定申告からは医療費の領収書自体は提出せず、各自で保管しておいて、その代わり「医療費控除の明細書」を添付することとなっています。

この「医療費控除の明細書」は協会けんぽや各健康保険組合から届く「医療費通知」を記載するだけでもいいとされています。ただし、この場合、「医療費通知」は9月までの明細だったりするため、明細に載っているもの以降のものはご自身で領収書等から「医療費控除の明細書」に記載する必要があります。「医療費通知」を使う場合にはその「医療費通知」がいつまでの分なのかの確認をしましょう。

また、「医療費通知」は保険診療だけです。いわゆる自費診療がある場合にはこれには含まれませんから、自費診療での医療費がある場合には、これも個別に「医療費控除の明細書」に記載するようにしましょう。

それから、医療費の領収書自体についてのことです。領収書の原本自体は提出の必要しなくていいことになりましたが、提出する必要がないというだけでご自宅等で保管しておく必要はあります。確定申告期限から5年間の保管義務がありますからその点も注意しましょう。

以上、今年から変わっている医療費控除の申告上の注意点の話でした。

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さて、今日は昨日、国税庁から発表された緊急のお知らせです。

緊急事態宣言の延長に伴い、所得税や消費税の確定申告期限が延長されました。

国税庁の発表によると、所得税、消費税、贈与税の確定申告期限が全国一律で4月15日(木)に延長されました。

緊急事態宣言の地域になっているかどうかにかかわらず、全国一律の措置です。

また、それに伴い、振替納税が所得税は5月31日(月)、消費税は5月24日(月)になっています。

消費税のほうが振替納税が早いですから注意しましょう。

また、振替納税の届け出をしておらず、納付書で納付する場合には、申告期限と同じ4月15日が納付期限となります。

申告期限と納付期限の延期に注意しましょう!

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コロナの影響で雇用調整助成金を使って休業手当を支払った(もしくは現在も支払っている)会社は多いと思います。さて、このように休業手当を支払っていた従業員が退職した場合、離職票はどのように書いていったらいいかを今日はみていきましょう。

その前に、「休業手当」というのは労働法上、どのようにとらえられているのでしょうか?

「休業手当」は労働法上の賃金ととらえています。ですから、離職票には記載しないといけない手当になります。通常賃金と同様に離職票に記載していきます。

ですが、休業手当の支払いが含まれる月で離職後のいわゆる失業手当の給付金などが計算されてしまうと、著しく低く算定される場合があります。
そこで、休業手当の支払いがある場合には、通常と異なる計算が採用されます。

通常、賃金日額は、「休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180」で計算されます。

ですが、休業手当が当該期間に含まれる場合には次のいずれか高いほうの金額を1日の金額として計算されます。

  • 休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180
  • (6ヶ月の賃金-休業手当)/(180-休業日数)

これは月給者を対象とした場合になります。日給・時給者の場合は上記の算式のうちの180とある部分は労働日数を入れて計算した金額を最低保障額としてその金額との比較となります。

このように休業手当がある場合、雇用保険の賃金日額というのが計算の仕方が変わってきます。ということは、通常の退職時の処理とは異なるので、休業手当のことも離職票に記載していかないといけないわけです。

では、実際に離職票にどのように記載していったらいいのでしょうか。

たとえば、コロナの影響で事業主の都合で休業し、休業手当が支払われた場合を前提として、離職票は次のように記載していきます。

・「休業手当が支払われた日数も含めた基礎日数」を⑪欄の基礎日数に記載
・「休業手当も含めた賃金額」を⑫の賃金額の欄に記載
・「休業日数、休業手当の金額」を⑬の備考欄記載

また、休業となるのは1日のうちの全部が休業になるとは限りません。1日のうちの一部の時間が休業になるケースもあります。そのような1日のうち、一部の時間を休業した場合で、休業した部分について休業手当が支給された場合には、どのように離職票を記載していくのでしょうか。

これは、休業手当の金額が平均賃金の60%以上の場合と、60%未満の場合で次のようになっています。

休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%以上の場合・・・備考欄(⑬欄)に休業日数を記載する必要はありません。
休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%未満の場合・・・休業手当金額・休業日数(〇/〇 ~ 〇/〇 〇日間休業)・所定休日日数を備考欄(⑬欄)に記載します。

また、雇用調整助成金の受給を受けている場合には、備考欄(⑬欄)に、「雇調金」と記入したうえで、雇用調整助成金の支給決定日を記入する必要があります。支給決定日は雇用調整助成金の決定通知書に記載されていますから、それを見ながら書いていきましょう。

コロナの影響で雇用調整助成金を受給している会社は多いと思います。その後、その従業員さんが退職した場合の離職票の書き方までは把握していないことも多いことと思います。このブログを参考にしていただければ幸いです。

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さて、今日は税務関係の資料を読んでいて気になった記事を一つ取り上げたいと思います。いわゆる「実質所得者課税の原則」というものです。

実質所得者課税の原則」というのは、普段、経理とか税務とかにかかわらない方にはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、税務にかかわる人や税理士試験で法人税や所得税、相続税などを勉強したことのある方はよく聞いたことがある言葉だと思います。

実質所得者課税の原則」というのは、「誰の所得か」「誰に課税されるのか」というのは形式や名義ではなく、「実質的に誰の所得といえるのか」「実質的に課税されるべき人は誰なのか」という点から考えましょうというものです。国税側からすると水戸黄門の印籠のようなところがあって、いろんな場面で登場する考え方です。

たとえば、「名義預金」というのがあります。親のお金を子供の名義の口座に入れているというようなものです。この口座を実質的に管理しているのは親で、子供が自由に引き出して使うことができない口座だとします。そうすると、名前は確かに子供の名義であっても、それは実質的には親の口座ということになります。

親がなくなって相続が発生したときにこの「名義預金」は、「これは子供の名義の口座だから親の資産ではないから相続税の対象にはならない」とは言えなくなります。

この「実質所得者課税の原則」に関しては、裁判であったり、国税不服審判所の裁決であったり、実に様々なところで取り上げられています。ちょっといくつかみてみましょう。

 納税者の妻等名義の口座は、納税者が口座開設を行っており、証券会社の担当者も納税者の口座であると認識していること、それらの口座と納税者名義の口座間に多額の資金移動が存在することなどから、それらの口座は納税者が自己のために開設した借名口座であり、それらの口座における損益は納税者に帰属する。

借名口座による株式売買に係る所得が納税者に帰属するにもかかわらず、納税者がその株式売買に係る所得を申告しなかつた行為は国税通則法68条(重加算税)1項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出したとき」に該当するから、重加算税の賦課決定は適法である。(判決年月日 H07-10-26 静岡地裁)

この事例は、妻の名義で夫が株を購入し、それを妻の所得として申告したのが「仮想・隠ぺい」にあたるとして重加算税の対象になっています。

納税者には実に厳しい判決です。

また、こんな例もあります。

鉄のスクラップ販売を行う法人の従業員が個人の名義でネットオークションを行って売り上げの代金を従業員個人の名義に振り込ませていたという事例です。国税庁はこれは会社の所得であるとして会社に課税されたという話です。

「会社側は、インターネットオークションによる販売業務の事業主体はその会社の従業員であるから、この販売業務に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。

しかしながら、①本件業務は個人名義で出品するものの会社の従業員名義であったこと、②会社の事務所において従業員が本件業務の事務及び商品の発送を行っていたこと、③会社が仕入れた商品を出品することによって収益が獲得されていたこと、④販売業務に従事する者の給与を請求人が支払っていたこと及び⑤会社の代表者は、この販売業務で収益を得ていたとの認識があったことなどの事実関係から、この業務が会社の業務の一環として行われたものとみるのが相当であり、本件業務に係る収益は会社に帰属する。」

インターネットオークションで売買しているのが従業員の名前で、従業員の個人口座に入金されていたとしてもそれは形式の話であって、実質的に会社の収入とみるべき具体的な状況があるではないかと言っています。

私の顧問先でも「契約書の名義は法人の取引だから法人の名義にしないと税務署に指摘されるのではないか」とか「使っているのは会社でも名義が違うと税務上、問題があるのではないか」とか、要するに「形式」や「名義」を皆さんが気にされているのをよく耳にします。

もちろん「形式」や「名義」も一定程度、大事ですし、気にすべきです。しかし、そうした外形上の「形式」「名義」よりも、実際には税務署は「実質的なところ」をみています。

逆に言えば、いくら「形式」や「名義」をそろえても実際のところがちがうのであればそれは意味がないという話になります。

「実質所得者課税の原則」。これは日ごろの経理処理上でも、いろいろ場面で出てくるもので、ぜひ経営者の皆さん、会社の総務経理の担当者の皆さんにはよく知っていただきたいことでもあります。参考にしていただければ幸いです。



さて、今日は多くの業種で最近多い在宅勤務の経費精算の話です。たとえば、電気代やスマホなどの通信費、インターネット料金などを負担した場合、どうやって計算して会社との間で精算していくのかという話です。

私の顧問先からも最近、在宅勤務の際に自宅でかかった電気代やインターネット使用料について、どう取り扱ったらいいのかというご質問をいただくことがしばしばあります。

今日はそのことについてみていこうと思います。

たとえば、会社によってはこうした在宅勤務の電気代や通信費といった諸費用については、○○手当という形で支払って、特にかかった費用の精算はしていないという場合はそれでもいいと思います。一方で、会社によってはかかった実費を計算してその分を精算するということもあるだろうと思います。

その辺は会社によって違うわけですが、この度、国税庁がその在宅勤務の際の費用についての課税関係について、一定の基準を示してくれました。

今年の1月15日に公表したばかりなのですが、「在宅勤務に係る費用負担等の関するFAQ」という中に書かれていますので一部、抜粋します。

従業員が負担した通信費について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のため に使用した部分はどのように計算すればよいですか。」

通話料(下記ロの基本使用料を除きます。)については、通話明細書等により業務のための通話に係る料金が確認できますので、その金額を企業が従業員に支給する場合には、従業員に対する給与として課税する必要はありません。(途中略)

インターネット接続に係る通信料については、業務のために使用した部分を合理的に計算する必要があります。 例えば、次の【算式】により算出したものを企業が従業員に支給する場合には、従業 員に対する給与として課税しなくて差し支えありません。

【算式】

業務のために使用した基本使用料や通信料等 =

 従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等 ×

その従業員の1か月の在宅勤務日数 / 該当月の日数×1/2

算式の最後で2分の1をしています。睡眠時間等を考慮して計算するためのようです。

この算式の金額を超える金額を手当としてもらっている場合にその金額を課税することになりますし、また、上記の算式の金額を精算している場合にはその従業員に給与として課税はしないとしています。

上記は通信費ですが、電気代はどうなっているのでしょうか。これについても国税庁のFAQに出ています。

従業員が負担した電気料金について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のために使用した部分はどのように計算すればよいですか。

基本料金や電気使用料については、業務のために使用した部分を合理的に計算する必要があります。 例えば、次の【算式】により算出したものを従業員に支給した場合には、従業員に対する給与として課税しなくて差し支えありません。

【算式】

業 務 の た め に 使 用 し た 基 本 料 金 や 電気使用料 =

従業員が負担した1か月の基本料金や電気使用料×

業務のために使用した部屋の床面積/自宅の床面積×

その従業員の1か月の在宅勤務日数/該当月の日数×1/2

さらに、国税庁のFAQから具体例が載っていますので抜粋します。

企業が、従業員に対して、次のとおり従業員本人が所有するスマートフォンに係る料金 4,800 円(令和2年9月分)を支給し、業務使用部分の計算をすることとした場合の課税関係について教えてください。

・ 基本使用料:3,000 円(3GBまで無料)

・ データ通信料:1,000 円(3GB超過分)

・ 業務使用に係る通話料(通話明細書より):800 円

・ 在宅勤務日数:15 日

 ※ 上記金額は全て消費税等込みの価格。

ご質問の場合、次のとおり、基本使用料とデータ通信料のうち業務のために使用した部分の金額を除いた金額 3,000 円について、従業員に対する給与として課税する必要があります。 ① 通話明細書より確認した業務使用に係る通話料(800 円)については、課税する必要は ありません。

② 基本使用料やデータ通信料については、次の算式により算出した金額(3,000 円)を、 従業員に対する給与として課税する必要があります。

 業務のために使用した通信費 = 4,000 円 × 15 日/30日× 1/2= 1,000 円(1円未満切上げ)

 給与として課税 すべき金額 = 4,000 円 ― 1,000 円 = 3,000 円

この国税庁のFAQは在宅勤務の際の経費精算をどうするかとか、課税関係がどうなるのかといったことに対して一定の回答を出してくれていると思います。これらを参考にして在宅勤務の場合の電気代や通信費についてどうするのかを検討してみてはいかがかと思います。



12月から1月初めにかけて、日本海側を中心に大雪が話題となっています。私は新潟の柏崎の出身ですが、新潟でもあまり雪が多くないといわれる柏崎でも車が動けなくなるほどの雪が降ったようです。さて、今日はそうした雪害があった場合に所得税の確定申告で控除される項目があるという話です。

雑損控除の対象は以下のように書かれています。

(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3) 害虫などの生物による異常な災害

(4) 盗難

(5) 横領

盗難や横領が入っている一方で、詐欺や恐喝の場合には雑損控除の対象にはなりませんのでその点は留意が必要です。(これは詐欺や恐喝は本人にも問題があったためというような解釈がされているようですがここでは解説はしません)

さて、このうち、(1)に「雪害」というのがあります。

「雪害」とは具体的には雪で家の一部が損壊したり、車庫がつぶれたり、物が壊れたりというものです。今回の雪でこのような物損があった場合には雑損控除の対象となります。

また、雑損控除にはこうした「物損」のほかにも「災害関連支出の金額」というのも対象となります。

災害関連支出の金額」とは、「災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額」などと国税庁のHPでは説明されています。要するに直接的な損失額ではないものの、その損失に関連した支出ということです。

この「災害関連支出」で「雪害」にかかるものをもう少し詳しく見ていきましょう。

長野県の信濃町のHPに雪下ろし等費用の具体的範囲として次のような記述があります。

人夫賃:雪下ろし等のために雇用した者(生計を一にしている親族及び同一家屋内で生活している親族を除く)に支払った賃金(日当、時間給又は請負金額)、旅費、除雪用具等の借損料、食事費用等

除雪機械等の借上料:雪下ろし等のための機械類(ブルトーザー、パワーショベル等)や運搬車輌(ダンプ式貨物自動車等)の借上料、借主が負担した燃料費(自己所有の機械等の燃料費を含む)

町内会等が行った雪下ろし等の分担金:個人の屋根の雪下ろし等を町内会等が行い、その費用を当該個人が分担した場合の分担金

専ら雪下ろし等に使用され、かつ、一冬限りで消費し尽くされる消耗品:雪下ろし用スコップ、雪下ろし用ビニール製波板、雪運搬用そり(スノーダンプ)など

防護さく(雪囲い):切迫している被害の発生を防止するための応急措置に係る防護さく等の設置費用で、その費用の支出の効果がその災害による被害の発生を防止することのみに寄与するもの(被害発生の緊急性が止んだ後には、その支出の効果が残らないもの)

雪下ろしのためのスコップ、雪囲いの費用といったものも「災害関連支出」として対象になるといっています。このHPはかなり具体的に書かれており、参考になりますね。

さて、雑損控除の対象となるものがあった場合、ではいくらを雑損控除として計上していくかという部分です。これも国税庁のHPを抜粋しますと、次のように書かれています。

次の2つのうちいずれか多い方の金額が、雑損控除となる。

 (1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

 (2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5 万円

(注) 損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3 年間が 限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができる。なお、雑損控除は他 の所得控除に先だって控除することとなっている。

簡単に整理すると、雑損控除にはさきほど書きました通り、「物損」と「災害関連支出」があるわけです。その「物損」のほうは「実際の損失額」が所得の10%を超える場合に控除できるといっています。これは上記の(1)の話です。

もう一方の「災害関連支出」は5万円を超える部分を控除できるといっています。これが(2)の話です。

(1)と(2)の大きい金額が雑損控除の対象となる金額となります。

雪下ろしの費用は「災害関連支出」ですから、その費用が5万円を超えたら控除できることになります。(2)のほうは所得の金額にかかわらず控除の対象となる点が特徴的なところです。

さて、今回の大雪は年末から年始にかけての大雪でした。つまり、令和2年と令和3年にまたがっているわけです。では、確定申告では令和2年の分と令和3年の分を分けなければいけないのでしょうか?

これについては、所得税法の基本通達72-5というところに次のような記述があります

当該支出をした金額はその支出をした日の属する年分の法第72条第1項に規定する損失の金額となるのであるが、その年1月1日から3月15日までの間に支出をした金額については、その支出をした日の属する年の前年分(災害等のあった日の属する年以後の年分に限る。)の同項に規定する損失の金額として確定申告を行っている場合は、これを認めるものとする。

(注) 当該確定申告を行っている場合には、その支出をした金額は、その支出をした日の属する年分の当該損失の金額に含まれないことに留意する。

何を言っているのかというと、1月1日から3月15日に支出した災害関連支出は確定申告に入れていいと言っているわけです。今回の確定申告であれば   、支出が令和3年1月1日から3月15日に支出した災害関連支出であっても、令和2年の確定申告で災害関連支出として入れて計算してもいいと言っているわけです。

そして、(注)のところに書かれているのは、「1月1日から3月15日に支出した災害関連支出は対象にはなりますが、その間にすでに確定申告書を出してしまってそのあとに災害関連支出があっても残念ながらそれは入れることはできません」と言っています。

還付申告だったりすると、1月1日から提出はできます。しかし、災害関連支出がある可能性があるのだったら確定申告書の提出を少し待ってみるというのも頭に置いておいたほうがよさそうです。

年明けから雪害がひどくなってきたので日本海側の地域ではこうした規定も使える可能性があるということをぜひ、知っておきましょう。



今日はいつもの経営関係の内容ではないのですが、ちょっとさすがにそれはどうかなということが私の周りでありまして・・・

このブログの趣旨とは違うので、詳しい話はしませんが、ちょうど似たような話がありまして、コロナ禍であった下記の記事です。

アンミカ、自粛警察の“正義”に疑問「相手の傷に泥を塗って…」 (msn.com)

自分は正しいと思い込むと、相手が生身の人であることを忘れて、普通言わないだろう汚い言葉を平気で吐くようなことをするんですよね、人って。

あまりにもひどい言葉を投げかけていたかたがいらっしゃって、正直、こういうのはどうなんだろうと思いました。自分自身が絶対的に正しいと思い込んでいるんでしょうね。その方の姿を見て、「正しい」って何なんだろうということを自分自身で振り返ることも必要だなあと思いました。



今日、2回目の緊急事態宣言が出ました。これから、どうなるんでしょう?

税務や給付金のほか雇用調整助成金など、いろいろと変わる部分もあるでしょう。

情報が入ったらこのブログでも可能な限り、書いていこうと思います。

さて、今日のテーマは申告漏れが出そうな一時所得や雑所得という話です。

今は利用が停止されていますが、go to キャンペーンも実は税金がかかります。それはご存じでしたでしょうか?

Go to キャンペーンの給付金は一時所得の対象です。

一時所得とは、もらった金額から一時所得を得るために直接に要した費用の額を引いて、さらに50万円を引いて残った金額があったらその2分の1が課税されるというものです。

Go to キャンペーンのほかにも一時所得の対象になるものがあればそれらをすべて足して計算していきます。

「50万円を引く」というのがあるので実際には50万円を超えた場合に課税されるち理解しておいていいのでしょう。

また、ポイントとしては、ほかに一時所得になる所得があった場合にはそのほかの一時所得の分と合わせて判断していくということです。

では、一時所得になるものにはどんなものがあるのでしょうか。次のようなものがあります。

一時所得

持続化給付金(給与所得者用)

Go to キャンペーンの給付金

すまい給付金

地域振興券

マイナポイント

ふるさと納税の返礼品

保険金の満期返戻金・解約返戻金

競馬の馬券、競輪の車券の払戻金

懸賞の賞金品等

ほかにもありますが、代表的なものを挙げました。

これらを合算して50万円を引いても利益が出れば申告が必要となります。

注目すべきは「持続化給付金」です。一時所得になる「持続化給付金」は給与所得者として持続化給付金の給付を受けた場合です。持続化給付金はほとんどが事業所得者や法人だと思いますが、それらは関係ありません。個人で給与所得者として持続化給付金の支給を受けた場合の話です。

一時所得には、地域振興券やマイナポイント、ふるさと納税の返礼品もあります。時価相当額で評価してみましょう。それらが50万円を超えるのであれば申告が必要となります。

次に、申告漏れが出そうな項目として雑所得があります。

雑所得となるものはどんなものがあるのでしょうか。

雑所得

持続化給付金(雑所得用)

企業主導型もしくは東京都のベビーシッター事業による割引券や助成

還付加算金

持続化給付金でも雑所得で申請したものが雑所得になります。また、ベビーシッターの割引券や助成金は雑所得で課税されます。ただ、コロナの特例を使ったベビーシッターの割引券は課税されません。また、税制改正でこれらは非課税となる方向です。

それから、雑所得で忘れがちなのが「還付加算金」です。

たとえば予定納税の金額や源泉所得税が還付になるような場合、金額が数十万の還付になる場合、利息をつけて税金が還付されます。この利息を「還付加算金」というわけですが、これは雑所得となります。

ちなみに、給与所得者で給与以外の収入がなく、たまたま雑所得があったような場合、その雑所得の金額が20万円以下の場合には申告しなくてもいいことになっています。

ということで、今日はgo to キャンペーンなど、課税される一時所得や雑所得の話でした。



さて、今日はちょっと早いですが、確定申告の話を一つしたいと思います。今年から確定申告書の記載が一部変更になるという話です。

税制改正で今年の確定申告から変わる点というのは結構あります。

基礎控除が48万円になったり、給与所得控除額や公的年金控除額の変更や、青色申告特別控除の変更、ひとり親控除の創設などその他にも多岐にわたり改正があります。

その中で確定申告書の書式が変わっている点があります。それが「雑所得」です。

雑所得は従来「公的年金等」と「公的年金等以外」の二つの欄だけでした。これは実にシンプルで、年金か年金以外かでわけて記載すればそれでよかったわけです。それが今回の令和2年の確定申告書から「公的年金等」と「その他」のほかに「業務」という欄が追加されます。これはどういうことでしょうか。

雑所得に入るものとしては年金以外に、たとえば原稿料をもらったり、何かの報酬をもらったりというものを載せることがあります。サラリーマンのような給与所得者の場合には、いわゆる「副業」がこの雑所得の「業務」にあたるわけです。

2020年はコロナ禍の1年でしたが、同時に「副業」を始める人が多かった1年でもあったと思います。この「副業」にあたる部分を雑所得の「業務」の欄に記載することになったわけです。

では、なぜこのような改正が入ったのでしょうか。

これは、令和4年に予定されている税制改正の影響のようです。

令和4年の税制改正では、「雑所得」に関して次のような改正が入ることになっています。

■前々年の雑所得の収入金額が300万以下の場合、当年は現金主義で計上できる

■前々年の雑所得の収入金額が300万超の場合、当年の領収書等は5年間保存義務がある

■前々年の雑所得の収入金額が1000万超の場合、当年の確定申告書には収入・経費の内容を記載した書類の添付義務がある

従来は雑所得の場合、特に帳簿の作成義務がなく、領収書等の保存義務もありませんでした。これが、令和4年から適用される確定申告で上記のように、一定の所得の場合、領収書の保存義務や帳簿の記載が必要となってくるという内容の改正が入ります。

ただ、このいくら以上の所得なら領収書の保存が必要なのかという基準が「前々年の収入金額」が判断基準になっています。令和4年の前々年は令和2年です。つまり、今回の確定申告なわけです。そのため、今回の令和2年の確定申告から「業務」の欄を追加しているわけです。

税務署としてはこの雑所得の「業務」の欄の収入金額を見て、現金主義の適用なのか、領収書の保存義務があるのか、収入・経費の記載のある帳簿の添付が必要なのか、といったことを判断していくわけです。

ちなみに、現金主義というのは、現に入金があったものを「収入」、現に支出があったものを「経費」として収入と経費を計上していくというかなり簡易なやり方です。今は公的年金以外の雑所得であれば収入金額に関係なく、すべてこの「現金主義」で計上していけばいいわけですが、これができる雑所得が「収入が300万円以下」の場合に限られることになったわけです。

この雑所得の「業務」欄の追加は、国が副業を認めているという見方もできます。

これからはサラリーマンもいわゆる「副業」が当たり前の時代になってくるのだと思います。確定申告書の雑所得の「業務」欄の追加は、それにあわせた改正ともいえるのでしょうね。

以上、今日は確定申告の雑所得の話でした。


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