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本当なのか、嘘なのか・・・

安倍首相が消費税の増税延期を示唆したとの報道がされています。

連立を組む公明党も了承済みとか。

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前回のブログでも書いた通り、もともと、今、消費税を上げることは安倍首相の言う三本の矢の三本目の「成長戦略」と矛盾することは明らかでした。そのため、有識者を招いて意見を聞いたりして、安倍首相自身「平成29年4月には必ず10%に消費税を上げる」とは言ったものの、かなり迷っているところがあったようです。

さて、この消費税の問題を経営的に考えるとどうなのか。

経営者にとっては、消費税という税金が厄介なのは「払う」という意味が二つあることです

どういうことかと言いますと、通常の消費者として、対価の支払いをする際に払う消費税があります。これは、経営しているとかは関係なく、個人の事業をやっていない人であっても日々の買い物やサービスの対価で支払っています。お子さんからお年寄りまで、何かを買ったり、サービスの提供を受けてお金を支払えば誰だって支払いますよね。つまり、「買い物などをするときに支払う消費税」が一つ目の消費税の「支払い」です。

もう一つ。経営者にとっては、確定申告をする際に払う「消費税」があります。この消費税は、「消費者などから預かった消費税」からモノやサービスの対価として「支払った消費税」の差額を納付するものです。言ってみれば、「皆さんから預かった税金を代理で納付する」のが経営者にとっての「もう一つの消費税」です。

経営者にとっては、この「もう一つの消費税」が問題です。

具体的にいうと、たとえば、車の購入だったり、あるいは、建物を購入する場合など、大きな買い物をいつするのかが大変重要な問題になります。会社や個人事業者が事業で購入するのであれば、いつ購入するのかで事業者が納付する消費税に影響してきます。

ですが、そもそも「簡易課税」(売り上げに対して何%という簡易な方法で事業者の消費税を計算する方法)だったり、「免税点未満」(消費税のかかる売り上げが1000万円未満だったり、個人や法人の事業を立ち上げたばかりの事業者は消費税の納税義務自体がない)だったりすれば、そもそも「皆さんから預かった税金を代理で納付する」消費税はないので、払う方の消費税の問題だけ考えればいい話になります。

つまり、いわゆる「原則課税」(預かった消費税から支払った消費税の差額を納付する事業者)の場合が特に問題になるわけです。

たとえば、建物のような大きな金額になるものの場合、影響は大きい話です。前回5%から8%に上がった際のことを踏まえると、仮に平成29年4月から予定通りに10%に消費税を引き上げるとなった場合、 「建物の引き渡しが平成29年4月以降であっても、契約が平成28年9月30日までだったら8%」「契約が平成28年10月以降であっても、平成29年3月までに建物が引き渡しになれば8%」といったようになるはずです。契約をいつまでにすればいいのか、引き渡しはいつまでにすればいいのか、など影響は大きい話です。

これは、個人の方が住宅を購入される場合にも同様の話です。

2年半延期(つまり、平成31年10月からに延期されるということです)というのは経営だけではなく、個人の方にもよく考えないと損をする、という意味で少なからず影響があるわけです。

ちなみに、消費税10%と同時に導入予定だった「軽減税率」(食料品などの一部は8%のまま税率を据え置く)も2年半延期されるという話のようです。経理の側面から見ると、この軽減税率の導入は非常にややこしい話で、これが2年半延期になったというのは正直、ホッとするところがあります。軽減税率対策なんて、実務上はほとんど進んでいませんからね。

ということで、今日は消費税増税延期かも!?という話でした。



伊勢志摩サミットがありましたね。

「オバマさんが広島に行った」「タックスヘイブンが話題になった」「警備が厳しかった」・・・

いろんな感想がありますね。

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「サミット」なんて、経営には関係ないって思いますよね。

特に、日々、資金繰りに追われている社長にとっては、「サミット」なんて、単なるお祭りですし、別に関係ない話だと思われて、まあ、当然でしょう。

 

ですが、関係はあると思うんです。

というよりかは、そう思えるような視点が必要だと思うわけです。

 

安倍首相は「三本の矢」というのを盛んに言います。

「三本の矢」の「三本」って何かはわかりますか?

 

「財政政策」「金融政策」「構造改革」が三本の柱です。

 

財政政策」は、政府も経済を担う柱なので、積極的に政府が投資をして(要するにお金を使って)景気を良くしようというものです。

金融政策」は、今、盛んに日本銀行がやっています。政府・日銀が市場にお金が回るような政策をしましょうという話です。今は「マイナス金利」なんていうことをやっていますよね。あれが「金融政策」です。

 

問題なのが(いつも言われることですが)、「三本の矢」の三本目です。つまりは「構造改革」です。「構造改革」というのは「成長戦略」なんていったりします。どちらかというと、この「成長戦略」という言葉が使われますね。

要するに、民間企業がお金を使いやすい環境にしていく、というものです。

 

「法人税減税」だったり、「子育て支援政策」だったり、「非正規雇用の問題解決」だったりという政策は、全て安倍首相のいう三本の矢の三本目の政策です。

 

民間にお金を使わせて景気を良くしよう

 

法人税を減らせば、企業がお金を持つようになる。そうすれば、企業はお金を使ってくれる。

子育て支援政策をやるというのは、要するに、女性が働きやすい環境を整えることで、女性が働ければ経済が好循環するということです。

非正規雇用の問題もそうです。非正規雇用は年収が低い。だから、非正規雇用を正規雇用化して、お金を積極的に使える人を増やそう。

 

「三本目の矢」というのは、言い換えれば、「お金を使える人や環境を増やそう」ということだと理解していいと思います。

 

法人税を減税にするということは、個人よりも法人へ資金をシフトしていく方がお金が残るということですし、女性が働きやすい環境を整えるというのは、女性が働きやすい職場環境を今から整えておくことは政府の方向と合致するので、税制や社会保険の制度が後押しすることにつながってきます。非正規雇用の問題はすでに「キャリアアップ助成金」という形で表れています 「キャリアアップ助成金」を活用して、非正規雇用の問題を解決していくことが会社側にとっても、得することになります。

要するに何が言いたいかというと、「サミット」のようなお祭りごとであっても、言えば「国際公約」になります。守らないといけなくなるわけです。そこで言ったことは、確実に「実現」していかなければならないことになる。

ここを「他人事」ではなく、経営をする上での方向性に活用していくという視点が大事だと思うわけです。

 

安倍首相は、今回のサミットで改めて「三本の矢」の「三本目」の重要性の話をしています。

すでに、「国際公約」なわけです。

こうした背景を理解したうえで、個人ではなく法人にお金を残していく方向だったり、女性を積極的に雇用していったり、現場の責任者に登用したり、あるいは、「キャリアアップ助成金」を積極的に活用していくような経営をしていくことが「経営者のセンス」だと思うわけです

ちなみに、消費税を来年の4月から10%に引き上げるのはこの「三本目の矢」の政策には反してしまいます。明らかに「民間にお金を使わせて景気を良くしよう」という方向とは真逆です。サミットでも、日本が消費税を増税することに懸念を示す国の発言もあったようです。安倍首相の政策からすると、今、消費税を引き上げるのは「三本目の矢」と言っているのに矛盾してしまうんですね。さてどうするのか・・・

ということで、サミットの話題から「大きな視点から経営を考える」ということも必要だという話でした。



5月はやはり忙しいですね。

もともとゴールデンウィークがあって日数が少ないせいもあります。

4月から新卒で入社した人は、ここからが正念場です。なにせ、ゴールデンウィーク後の次の連休は7月の海の日までないですから・・・

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さて、今日の話は顧問先からも質問があった「社会保険の適用拡大」の話です。

現在、社会保険の扶養に入るのって、年収いくらかご存知ですか?

130万円ですね

103万円が所得税の扶養に入れる範囲、100万円が住民税の非課税の範囲、そして、年収130万円未満だと、社会保険の扶養に入れる。今の基準はそうです。

その130万円が106万円になるんです

知ってましたか?

 

「えー、そうなの?」「いつからそうなるの?」

と気になりますよね。

そうなんですが、要件がいろいろとあるのであわてないでくださいね。

 

まず、いつからか。これは、最短の人で「平成28年10月1日から」です。

「最短の人」というのがポイントです。年収106万円(月で割ると月額給与8.8万円)という基準が導入されるのは、まずは大企業です。大企業にお勤めの方の社会保険の扶養親族になっている場合には、今年の10月1日から対象になります。

 

「特定適用事業所」と言って、厚生年金の被保険者数が常時500名を超える事業所がまずは対象になります。この500名の判定は、法人のマイナンバーである「法人番号」で数えます。別々のところにあっても「法人番号」でよせて500名以上かどうかを判定します。

それから、106万円の判定には、「通勤手当」や「時間外労働」、「家族手当」「皆勤手当」なんかは入りません。いわゆるボーナス、「賞与」も対象外です。

ですので、単純に給与が106万円(月額8.8万円)というわけでもないので注意が必要です。

ところで、この社会保険の適用拡大の話ですが、「マイナンバー」の導入と決して無関係ではありません。むしろ、大いに関係があります。(と私は考えています)

マイナンバーって、なぜ導入されることになったんでしょう?

 

「税金を補足しやすくするため」

「行政サービスを使いやすくするため」

「年金をいくら納めたか、将来年金をいくらもらえるのかをわかりやすくするため」

 

どれもその通りです。

もう一つ、大事なことがあります。

それは、「ズルをしないようにするため」です。

 

今まで、所得があっても申告しなかったり、本当は稼いでいるのに、社会保険はなぜか扶養になっていたり、そんなことが結構あったわけです。

特に、「税金」と「社会保険」は役所が違うため、情報の共有ができず、本来は社会保険に入るべき人が入っていなかったり、ということがまかり通っていたわけです。

「マイナンバー」を使うことの意義はここにあります。

つまり、「いくら稼いでいるのか」という情報と「社会保険の扶養に入れるのか」という情報が「マイナンバー」でつながれば、年金事務所が「扶養に入れるのか」を調べるのは簡単になります。

こうした流れの中に、106万円に基準を下げ、厚生年金(社会保険)の適用を拡大して、年金を納める人を増やせば、年金の財政問題も解決するし、老後に無年金になる人も減らせる、こんな思惑があるわけです。

「え、130万円が106万円になるの」とかいう、単発の情報に惑わされず、全体の流れの中でどういう位置づけがあって、社会保険の106万円の話が出ているのか、という視点で考えてみるのも意味があると思うわけです。

ということで、今日は、厚生年金(社会保険)の適用拡大の話でした。



ゴールデンウィークも終わりましたね。次の連休は7月の海の日だそうです。約2か月先・・・。頑張りましょうね。

さて、ゴールデンウィークは皆さんはどのように過ごされたでしょうか?旅行、帰省、近くで買い物、特に何もせず・・・ いろいろでしょうね。私は最近始めたゴルフに行きました。照り付けもせず、ぎりぎり雨も降らずに18ホールを回ることができました!!!

初めて18ホール回りましたが、スコアは130。まだまだですね。もうちょっと練習せねば・・・

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さて、今日のテーマは「ゴルフ」・・・ではなく、「経営倫理」の話です。

三菱自動車の燃費偽装が問題になっています。軽自動車だけかと思いきや、調べてみると、主力車種のRVRなどでも燃費偽装を行っていたとか。

朝日新聞デジタルの記事↴

http://www.asahi.com/topics/word/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E7%87%83%E8%B2%BB%E5%81%BD%E8%A3%85%E5%95%8F%E9%A1%8C.html

三菱自動車の燃費偽装のニュースを見ながら思ったのは、「経営って、ゴルフに似ているなあ」ということです。ゴルフって、ごまかそうと思えばごまかせるスポーツなんです。ゴルフをやらない人は良くわからないかもしれませんが、たとえば、打った球がどこに飛んだのか、わからなくなることがあります。適当に「ここに飛んだ」と自分の球をドロップ(下に落とす)して、はじめることも可能です。あるいは、ボールがある場所が打ちづらい場合、ズルをして球を動かすことも誰も見ていなければできます。

基本、ゴルフは「自己申告のスポーツ」ですからね。

そうやって「偽装」をしても、だれも気付かれていなければ一見表面化しません。でも、自分はわかっているわけですよね、ズルをしたっていうことが。

今回の三菱自動車のように表面化してしまえばもちろん大問題になります。でも、表面化しなくても自分にはうそをついていることになる。この「自分にうそをついている」状況こそが問題だと思うんです。

今、やっている朝ドラ「とと姉ちゃん」。朝から『いい話だなあ』というのが多いドラマです。その「とと姉ちゃん」にも経営の神髄、と思える話がありました。

仕出し弁当屋に家族で住み込みをすることになった主人公の常子はじめとする小橋家。その仕出し弁当屋で、女学校に通いながら常子はお手伝いをしています。ある日、「松弁当(特上のいい弁当)」と松弁当より一つランクの下がる「竹弁当」を配るべき先を逆に配ってしまいました。誤って配ったことに気付いた常子たちは、本来「松弁当」を配るべきだったお客さんに謝りに行き、代金を返金します。当然、「松弁当」のお客さんは、カンカンに怒っています。

常子は、「松弁当」を配るべきところを「竹弁当」を配ってしまったお客さんに謝りに行くのを済ませた後、『やはり「竹弁当」を注文して「松弁当」がきたお客さんにも謝るべきだと思うんです』とポツリと一言言って、「竹弁当」のお客さんにも謝りに行きます。「竹弁当」のお客さんは「なんでそんなことで謝りに来たの?」という感じです。

なぜ、「竹弁当」を注文して特上の「松弁当」がきたお客さんにも謝りに行ったのか?言い換えれば、常子たちが間違えたことによって得したお客さんにも謝りに行ったのはなぜなのか?

常子はそれを「心意気の問題」と言っています。

この話は先ほどのゴルフの話や三菱自動車の偽装問題と同じだと思うんです。つまり、ゴルフの話、三菱自動車の偽装問題、そして、とと姉ちゃんのお弁当の話の三つに共通しているのは、「自分に正直であること」です。

経営にとって、一番大事なことは「お客さんだけでなく、自分にも正直であること」だと私は思うんです。それがないと、「経営=お金儲け」だけになってしまう・・・ そんなのは長く続きませんし、そもそも「ただのお金儲け」なんだったらなんのために働いているのか、という話にもつながると思うんです。

三菱自動車のように「ばれると大問題になるから倫理を守る」んではないんです。自分に正直でないから「倫理」を守るんだと思うんです。

最近始めたゴルフからそんなことを考えてしまったゴールデンウィークでした。



さて、前回の続きで、「キャリアアップ助成金」の話です。

この「キャリアアップ助成金」ですが、さすがに総理大臣が施政方針演説で引き合いに出すくらいですから、国は今、相当力を入れています。内容も昨年よりも拡充しています。

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キャリアアップ助成金は前回のブログで書いた通り、「正規雇用転換コース」の場合、「非正規の人を正規雇用に転換した場合」の助成金です。その非正規の人(期間の定めのある雇用契約の社員)を無期雇用に転換した場合、対象者1人につき60万円(昨年は50万円でした)支給されます

さらに、そのキャリアアップ助成金の対象者が母子家庭のお母さんだったりや父子家庭のお父さんだったりした場合、あるいは、会社が「若者雇用促進法に基づく認定事業主」に該当していて、35歳未満の人を正社員化すると、5万円または10万円がさらに上乗せされます

「若者雇用促進法に基づく認定事業主」というのは、それほど難しいものではないようです。日本政策金融公庫の利率が低くなるなどの特典もあるようです。キャリアアップ助成金を使う使わないにかかわりなく、認定事業主の登録くらいはしてもいいとは思います。↴

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100266.html

そして、このキャリアアップ助成金ですが、今、東京都が独自に上乗せ支給をしています事業主が東京都にある事業所だったら対象になります。キャリアアップ助成金の正社員化コースの支給申請をした後、2か月以内に東京都に申請すると、上乗せでさらに50万円が受給できます

東京都が独自にやっているキャリアアップ助成金の上乗せ支給

http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/koyo/hiseiki/tenkan/

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この東京都の上乗せ支給は社労士でも知らない人がいるみたいですから、この機会に是非、知っておきましょう!

このように上乗せ支給もあわせると、非正規の人を正規雇用に転換すると、最大で120万円が受給できるんです。

こんな情報、ご存知でしたか?この際、是非、活用しましょう!

この助成金のご相談がございましたら、是非下記までご連絡くださいね。↴

http://vanguardwan.com/

 



経営者に話をすると、十中八九、関心を示すのが「助成金」です。

それはそうです。もらっておいて返す必要のないお金ですからね。お金に関心のない経営者なんていませんしね・・・ということで、今日からしばらく助成金について書いていこうと思います。(ときどき違うテーマも書きますが)

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先日もある社長さんに「助成金の情報みたいなものは、誰が教えてくれるの?」と言われました。

まず、知っておいてもらいたいのは、税理士や会計士のほとんどは助成金のことを知らないということです。

「えー!そうなの?」と思いましたか?私のように経理だけでなく、労務管理や助成金についても精通していれば、顧問してもらっている会計事務所から教えてもらうのがスタンダードです。ですが、ほとんどの会計事務所は、経理や税金の情報には精通していますが、「助成金」のことは素人同然で、何も知らない人が多いんです

「会計事務所=お金の専門家」「税理士=経理や経営の専門家」というのは経営者の勝手な思い込みです。

助成金のことをアドバイスしてくれる税理士や会計士だったらかなり勉強されているか、私のように社会保険労務士であるか、そういった状況にあります。当然、「助成金」のようなお得な情報を教えてくれる会計事務所の方がいいに決まっていますよね?(そういった意味でも、そもそも会計事務所を選択するときに、社会保険や助成金、人事労務のことにも詳しい事務所を選択すべきとは思います。

助成金のことを知る前に、まずは、経営者の方には、現在、関与している税理士や会計士などの会計事務所が「助成金」情報に詳しいかを見極めてください。(1年以上の関与があるのであればその間に、全く助成金の話がなければ、詳しくない人なんだと判断してもいいと思います)

問題なのは、「助成金」のことをあまり知らない会計事務所とかかわっていると、情報が入ってきませんから、損している可能性があるということです

詳しくない人だったら、選択肢は二つです。

一つは、顧問先そのものを「経理」のみでなく、「助成金」も含めた労務管理をやってくれる事務所に変えること。もう一つは、「助成金」の情報は自分で調べるなり、セミナーなどの勉強会に積極的に出るなりして、経営者自身が情報を探しに出ること。そのどちらかでしょう。

ということで、後者の経営者の皆さんにもためになる「助成金」情報を配信していこうと思います。

しばらくは、最近何かと話題の「キャリアアップ助成金」についてです。

「キャリアアップ助成金」。名前くらいは聞いたことがありますか?名前も聞いたことがなければ、この助成金は、今、もっとも旬な助成金ですから、これくらい知ってないと経営者として恥ずかしい?かもしれません。

「キャリアアップ助成金」は、現在の政府が一押しの助成金です安倍総理も国会答弁で何度となく「キャリアアップ助成金」を口にしています。

「非正規雇用の若者たちには、キャリアアップ助成金を活用して正規雇用化を応援します。魅力ある中小企業がたくさんある。そのことを若者たちに知ってもらうための仕組みを強化します。」(平成28年2月12日 第189回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説で)

要するに、「非正規雇用」を「正規雇用」に転換していく手助けをする。これがこの助成金の趣旨です。

さっくりいうと、非正規雇用の人、つまり、パート・アルバイト、有期雇用(期間の定めのある雇用契約)などの非正規の人を今現在、雇用していて、その人たちを正規雇用に転換する予定があるのであれば、この「キャリアアップ助成金」の対象になりえます。

ただ、この助成金の要点は「就業規則」にある思っています。要するに、就業規則がきちんとないと受給できないんです。その就業規則に「非正規の人を正規雇用に転換する」という規定を作るんですが、そもそもその「就業規則」を作ったことがなかったり、あっても相当古くて使えなかったり、あるいは、労務管理上いろいろと問題があって作れなかったり(多くは労働時間の問題ですが)、そういう事情があることが多いです。

ですが、「非正規の人を正規雇用(要するに正社員)に転換する予定がある」上に、「就業規則がある」会社だったら、この助成金の対象になります。(そもそも、人を雇うんだったら就業規則はないといけないのですがね・・・)

あとは、そもそも雇用保険に加入していないと助成金の対象になりませんからね対象となっている非正規労働者が雇用保険に加入していて初めて、助成金の対象になってくる話につながります。

よくあるのが、「あのアルバイトはちょっと使えるから、じゃあ、そいつを正社員にしたら助成金がもらえるんだ」という話です。もちろん、「あのアルバイト」でもいいのですが、その「あのアルバイト」という人が、実際に雇用保険に入っていないと対象になりません。その点も要注意です。

あとの要件は、結構、細かい部分もあるので、社労士などの専門家に依頼したほうが経営者的にはよろしいかと思います。助成金の手続きをしたことのない経営者ご自身が助成金の申請手続きをするのは結構、手間のかかる話になります。

ということで、今日は「助成金」の導入の話として「キャリアアップ助成金」の正規雇用転換コースの話でした。

助成金についてのお問い合わせがありましたら下記まで↴

http://vanguardwan.com/

 

 



この4月から変更したことで、会社経営に影響があることとして「雇用保険料率の変更」を以前に書きましたが、もう一つ変更したことに「健康保険の料率表の区分変更」があります。

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3月分(4月納付分)から健康保険の料率が変更になっています。3月分なので、4月支給の給与計算で対応されていることと思います。それとは別の話で、健康保険の料率表の上限が変更されています!

従来は47等級の1,210,000円が一番上の等級でした。つまり、これ以上の報酬をもらっていても健康保険料は1,210,000円が一番上の等級だったわけです。

これが、4月分の健康保険料から以下のように変更になっています。

48等級 1,235,000円~1,295,000円・・・標準報酬月額 1,270,000円  49等級 1,295,000円~1,355,000円・・・標準報酬月額 1,330,000円  50等級 1,355,000円以上         ・・・標準報酬月額 1,390,000円

それぞれ標準報酬月額に料率を掛けた金額が健康保険の保険料になります。

さらにいうと、この改正のポイントは、この48等級から50等級にあたる人については、原則は「保険者算定」といって、年金事務所等から送られてくる標準報酬月額の改正のお知らせに合わせて給与計算での標準報酬を改定するということです。

つまり、自分の判断で勝手にやらないということです。あくまで、保険者側(協会かんぽの会社さんだったら協会けんぽ)が、昨年の算定基礎届とか、昨年の算定基礎届後に出された月額変更届などを元にして標準報酬月額が48等級から50等級にあたると判断した人がいた会社さんに個別に標準報酬月額を改定してくださいというお知らせを出すわけです。

実務的には給与が1,235,000円以上の人というのは、中小企業の場合は大体が社長さんとか取締役等の役員になっている方が多いと思います。そういう人が該当しないかどうかを確認してください。そして、その変更は4月分の保険料(5月納付分の保険料)からです。ですから、実際には5月に支給する給与から改定ということが多いと思います。その点もあわせて確認するようにしましょう!



さて、今日は実際に顧問先から質問を受けた内容についてです。

質問の内容はこんな感じです。

「雇用保険料が4月から変わるのはわかりましたが、うちの会社は20日締めの末日払いなんです。その場合は、3月21日~3月31日の分は、5/1000で計算して、4月1日~4月20日の分は、4/1000で計算する、ということなんですか?」

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前回のブログでも書いた通り、一般の事業の場合、従業員さんの給与から天引きする雇用保険料率が5/1000が、平成28年4月から、4/1000に変更されます。

「4月の給与から変更」なので、たとえば、月末締めの翌月15日払いの場合、4月分の給与の支払いは5月15日になりますから、5月15日の給与から4/1000に変更することになります。

問題なのは、給与の締日が月末でないケースです。

たとえば、20日締めの場合、3月分と4月分が分かれます。なので、3月分の給与(3月21日~3月31日分)は5/1000で計算し、4月分の給与(4月1日から4月20日分)は4/1000で計算することになります

理屈はそうなります。それが正しい処理です。

しかし・・・です。

実務上を考えるとこの計算の仕方は大変面倒です

今は給与のソフトを使って計算している会社も多いはずです。その場合、3月分と4月分で別々に計算しないといけません。たとえば、従業員の数が何百人・何千人もいる会社さんで、そんなことできますか?

「3月21日~3月31日は5/1000で計算して、4月1日~4月20日は4/1000で計算すること、システム上できますよ」というのならなるべくそうしてください。それが正しいんですから。

ですが、普通の市販されている給与ソフトを使っている会社さんでは、こんなことをわざわざやるのは大変なはずです。

そこで、私は、「労働保険の申告書と一致していれば、20日締めの場合、3月21日から4月20日分の給与は、分けたりせずに、すべて新しいほうの4/1000で計算していいのではないですか」とご提案しています。

今回は雇用保険料の変更があったから問題になりましたが、厳密にいえば、毎年、この問題があるはずです。つまり、労働保険の計算をするために、20日締めの場合、毎年毎年、「3月21日から3月31日の分」と「4月1日から4月20日の分」で分けて計算することになります。概算・確定保険料を算出する賃金の金額に影響があるからです。

ということで、締日が月末でない場合には、私は4月分として支給した分は、4月分で計算し、雇用保険料は4/1000にして、3月分で計算したものは、雇用保険料は5/1000で計算する、というのでいいと思います。さらに、それを労働保険の申告書ときちんと一致させることも重要だと思います。

ちなみに、そもそもこうした面倒な問題があるので、「給与の締日はいつにしたらいいですか」と聞かれた場合、「給与の締日は月末にしたほうがいいですよ」とご案内しています。経理処理をする際にも、たとえば、20日締めの給与の会社では、毎年、3月21日から3月31日の分は「未払費用」として処理し、前年の3月21日から3月31日の分は、前年の費用なので、今期には費用計上しない(前期の会計処理で「未払費用」で処理する)のが正しいことになります。締日が月末以外だと、経理処理的にも、雇用保険や労働保険の計算上もこうした面倒なことになってしまうんです。このことも知っておいていいことです。

ということで、顧問先からあった雇用保険料率の変更のタイミングの話でした。



さて、この4月になってから変更になったことの中に雇用保険料率の変更があります。

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雇用保険料率の変更というと、「また上がったの?」と思うかもしれませんが、逆です。

雇用保険料率が平成28年4月から下がりました!

改正前は一般の事業の場合、従業員負担は5/1000でしたが、改正後は4/1000になります。

会社負担の雇用保険料は、改正前8.5/1000から、改正後は7/1000になります。

従業員負担・会社負担もあわせた負担額は、改正前は13.5/1000から、改正後は11/1000になります。

4月支給の給与から変更になりますから給与計算の際には注意が必要です。

ちなみに、労災保険料は平成27年と同じで、変更ありません。

それから、雇用保険の改正予定の項目として知っておいた方がいいことが二点ほどあります。

① 平成29年1月1日以降、65歳以後に新たに雇用される者について、雇用保険の適用対象にする。

② 現状では、4月1日時点で64歳以上の者については、雇用保険料が免除されていますが、平成32年4月1日以降は雇用保険料が徴収される。

①については、65歳以後新たに雇用される場合、雇用保険には加入できなかったわけですが、雇用保険の要件に該当すれば、来年の1月以降は雇用保険に加入することになります。

雇用保険料率の変更とともに、変更予定の上記の点についても知っておきましょう!



今日は預金利息の話です。

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平成28年1月1日から、法人に係る利子割と呼ばれる預金利息に係る税金がかからなくなりました。

平成27年12月31日までは、預金利息は以下のような税率がかかっていました。

国税・・・15%

 復興特別所得税・・・0.315%

 地方税(利子割)・・・5%

 合計・・・20.315%

 

しかし、平成28年1月1日以降は上記のうち、地方税(利子割)の5%というのがなくなります

この改正は、法人名義の銀行口座に限った話です。法人名義の口座の預金利息については、普通預金・定期預金のいずれかにかかわらず、利息の入金が1月1日以降であればすべて、地方税(利子割)の5%というのがありません。

2月に普通預金の利息が入金されて、2月の経理処理を今くらいにされている方も多いと思います。十分注意して処理するようにしましょう!