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労働保険の年度更新の時期になりました。今年もまたこの時期です。総務担当者は何かと忙しいと感じる時期だと思います。
今日は、この年度更新の中の労働保険料の納付と申告の方法(継続事業を前提)という点に絞って、解説していこうと思います。

労働保険料の納付というのは実はいくつかの方法があります。この点は税金の納付とはかなり違います。
大きくは次の3つがあります。

①口座振替
②金融機関で納付
③還付

一方で、労働保険の申告方法は次の3つがあります。

④労働基準監督署や労働局に労働保険申告書を提出
⑤電子申告
⑥銀行若しくは郵便局に提出

この納付と申告というのは組み合わせによっては出来ないものがあります。
たとえば、上記のうち①と⑥の組み合わせということはありません。納付は「口座振替」で申告は「銀行もしくは郵便局に提出」ということは出来ません。申告方法が⑥(銀行もしくは郵便局に提出)なのであれば、納付は必ず②の「金融機関で納付」になります。
また、③と⑥の組み合わせもできません。 「還付」なのであれば、申告方法は④か⑤になります。また、②の場合には、申告方法は④でも⑤でも⑥でもできます。
そして、口座振替は事前に届け出が必要ですから、事前に口座振替を選択している場合には、申告方法は必然的に④か⑤に限られてきます。

さて、まず、納付方法についてみていきましょう。
労働保険の納付方法は事前に届出をすることで口座振替ができます。確か、2月くらいにはがきでこの口座振替のお知らせが届いていたはずです。本来、労働保険の納付期限は7/10であるところを口座振替の場合、9/6の引き落としになります。資金繰り的には余裕が出てくるわけです。もし、口座振替を選択したい場合、今からでも届け出は出せます。ただし、今からだと第二期(通常の納付期限が10/31のもの)からの適用になります。第1期目からは適用できません。そもそも概算保険料の金額が40万円未満の場合には第2期・第3期と分けて納付する(延納)は選択できませんから、今、口座振替を出したとしても来年の年度更新からの適用になります。口座振替の場合、第2期目は11/14、第3期目は2/14(通常の納付期限は1/31)と少し遅くなる点が特徴的です。
口座振替の3週間くらい前にはがきで通知が来ます。うっかり忘れていてもこのはがきで確認することは出来ます。

また、口座振替を選択すると、労働保険の申告書の「領収済通知書」の方は※になって使用できないようになっています。代わりに、いつ口座振替になるのかの日程が書かれることになります。

それから、もし事業を廃止の場合、口座振替の届け出がなされていても口座振替は出来ません。4/1~3/31の間で事業自体を止めてしまっている場合には、労働保険の申告書の③という欄に、事業廃止年月日を記載します。ここに記載があると口座振替は出来ないことになります。事業を廃止した場合で納付がある場合には、納付書で納付することになりますので注意が必要です。

さて、納付方法のうち、金融機関で納付するのは最も一般的な納付方法でしょう。税金の納付と同じ要領なので、わかりやすいです。税金と違うのは、労働基準監督署では納付ができないことです。税金の納付は税務署でもできます。しかし、労働保険の納付は労働基準監督署では扱っていません。最寄りの金融機関か郵便局での納付になります。

次に申告方法を見ていきましょう。
申告方法のうち、労働基準監督署や労働局に提出する方法は最も一般的です
提出先は管轄の労働基準監督署か、あるいは、各都道府県の労働局に提出してもOKです。
労働保険の申告書がお手元にある方は労働保険の申告書の右上を見てください。「あて先」となっていて、労働局の住所が書かれています。ここに一括して送付することもできます。
複数の労働基準監督署に提出しないといけないような場合、都道府県が同じであれば、各都道府県の労働局に送ってしまってもいいわけです。

また、この労働基準監督署や労働局に提出する方法を選択する場合、納付書と申告書は切り離して納付書は納付書で金融機関か郵便局で納めておいて、申告は別に監督署や労働局にするわけです

また、申告書と納付書の間のミシン目のある上の方に小さく「切りはなさないでください」と書いてありますが、これは金融機関や郵便局に申告書と納付書を提出する場合を想定しています。実は、金融機関や郵便局に申告書と納付書を切り離さないでそのまま提出し、納付も済ませてしまうという方法もあります。
ただし、この方法の場合、申告書の控えに受領印が押されることはありません。納付したということで納付書の控えには金融機関や郵便局は領収済印を押すのですが、申告書自体には押しません。この金融機関や郵便局にだした申告書は金融機関や郵便局を通じて労働局に提出されます。
最終的には提出されるのですが、何かの都合で申告書に受領印が必要な場合には、この方法は選択しないほうがいいでしょう。その場合には、申告書と納付書を切り離して、申告書は申告書で提出したほうがいいでしょう。

また、申告方法には電子申告という方法もあります。
今は電子申告に対応できる職員がまだ少ないせいなのか、電子申告の周知活動というのは今一つのように私は思います。ですが、2020年4月からの労働保険の年度更新では、資本金が1億円を超えるような大きな法人では電子申告が義務化されます。必ず電子申告によって労働保険の申告をしなければいけなくなります。

それから、申告方法の最後、還付申告ですが、これは事業を廃止した場合や、事業規模を縮小して概算保険料の納付が多い場合が考えられます。この還付の場合には、労働保険の申告書以外に、「労働保険還付申告書」という書類も必要です。還付の場合には、申告書と還付請求書を同時に出す必要があるので、その点、気に留めておいてください。

このように労働保険は納付や申告の仕方がいくつかあります。どれを選択するかは事業主の意思に拠りますが、どれが御社にとって一番負担が少ないかを考えたうえで申告・納付してみましょう。

 

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今日は前回の続きです。雑損控除の「災害」「盗難」「横領」のうちの「災害」についての取り扱いを解説しようと思います。ただ、これらは細かく解説すると結構大変なことになりそうなので、このブログの主な対象としている経営者に必要な部分をまとめてみます。

雑損控除といっても、実務上はこれを使うケースはほとんどが「災害」です。
先日のブログにも書きましたが、「災害」は主に次の3つのケースです。
(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3) 害虫などの生物による異常な災害
このうち、雑損控除を使うのはほとんどが(1)の自然災害と(2)の火災です。この自然災害と火災があった場合、いくら控除されるのでしょうか。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
上記のうちのいずれか多い金額を雑損控除とすることができます

算式だけ見ると少しわかりづらいですが、ポイントは「災害関連支出」と「損失額の計算」です。

まず、「災害関連支出」をみていきましょう。「災害関連支出」とは何のことでしょうか?
国税庁のHPから抜粋すると、以下のように書かれています。
「「災害関連支出」とは、災害により滅失した住宅、家財などを除去するための費用や豪雪による住宅の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用などの災害に関連したやむを得ない支出をいいます。」

これは、かつて総理大臣をやったこともある田中角栄が作った規定だと言われています。田中角栄の故郷は言わずと知れた新潟県です。私と同じ柏崎(田中角栄は旧西山町)出身です。その田中角栄の選挙区だった旧新潟3区は、魚沼や湯沢といった新潟の中でも特に雪深い地域があります。田中角栄は自らのふるさとの雪に悩まされる実情を見て、屋根の雪下ろしにかかる費用を「災害関連支出」として雑損控除の対象になるようにしたと言われています。

「災害関連支出」はこうした雪下ろしの費用の他には、たとえば、風水害や火災によって倒壊した住宅の廃材を除去する費用といったものも含まれます。これらの「災害関連支出」が年間5万円以上かかった場合には、雑損控除の対象になる というのが(2)の算式の意味です。

一方で、(1)の方はこれは損失額を算出して その損失額が総所得金額の10%を超える場合に超えた金額を控除できる としています。
(1)で計算する場合の方が計算が面倒です。たとえば、自宅が火災に遭った場合、雑損控除の対象になるわけですが、その損失額をどうやって計算するのかというのが難しいわけです。この損失額の計算については、実は、一定の用紙があります。そこに記載されている項目に従って計算を出していくというモノがあるんです。
これは「被災した住宅、家財等の損失額の計算書」というものです。これは、地域ごとの1㎡当たりの住宅の価格や住んでいた住宅の構造が木造なのか鉄筋造りなのか等によって計算していくものです。また家財についての損失も、年齢や夫婦の世帯だったのか、独身だったのか、子供が何人いたのか(何人住んでいたのか)などによって計算を出していきます。
いずれにしても、(2)の「災害関連支出」が5万円以上の場合に比べ、説明をよく読みながら計算を進めていく必要があるため、少し手間ではあります。

また、そもそも雑損控除の対象になる資産は「生活に通常必要な資産」とされています。「生活に通常必要な資産」というのは、「①家具、什器、通勤用の自動車、衣服など②貴金属や宝石、書画、骨董品などで、1個又は1組の価格が30万円以下のもの」と住宅ということになります。
これらの資産が災害によって被害に遭った場合に、上記の計算書を使って計算をしていくわけです。

また、この「災害」による損失の場合、「災害減免法」という別の法律で計算することも可能です。つまり、「災害」の場合には「災害減免法」と所得税の「雑損控除」の選択になるわけです。
「災害減免法」による場合は、損害の金額が住宅や家財の価格の2分の1以上の場合なので、大きな損害の場合です。その場合、次の所得税の軽減額になります。
所得金額500 万円以下・・・全額免除
所得金額500 万円超750 万円以下・・・2分の1の軽減
所得金額750 万円超1,000 万円以下・・・4分の1の軽減

所得金額が500万円以下のような場合には、いわゆる災免法による減免の方が有利になるだろうと思います。

そして、災害の場合、申告期限が延長されることも知っておいていいことです。
災害に遭ったタイミングで申告期限が来てしまった場合、申告期限は災害がやんでから2か月まで延長されます。法人税(所得税)の他に、消費税の申告がある場合、消費税についても延長されることになります。法人の場合、申告期限の延長の届け出をしても法人税だけにしか効果が及びませんが、災害の場合には消費税にも延長の効果が及びますからこの点は通常の延長との違いと言っていいでしょう。
届け出も災害が発生した後、事後の届け出になります。災害が起こってその後その災害の対応が終わってから早めに出せば問題ありません。この際には、警察などからもらった「り災証明書」の写しを添付することが必要な場合もあります

実は、私の顧問先でも、実際、申告期限の間際に火災があってこの規定を使ったケースがあったのですが、その時も税務署に確認しながら申告期限の延長の届け出をしました。税務署側と届け出内容を確認しながら進めたほうがいいでしょう。
それから、申告期限の延長で忘れがちなのが、法人の場合、地方税もあるということです。税務署へ提出した後、地方税も忘れずに届け出しておきましょう。

その他にも、災害の場合、たとえば、予定納税の減免があったり、また、住宅が火災に遭ったようなケースで、住宅がなくても住宅ローン控除も引き続き受けることが出来たりするものもあります
また、災害により相当な損失を受けたことにより、その復旧に必要な資金の借入れのために使用する場合には、納税証明書の交付手数料は必要なかったりする特例もあります

火事に遭ったり、水害や雷などによる自然災害に遭ったりしたケースでは、このように税金の負担を軽減する措置が数多くあります。また、申告期限が延長されたりという緩和措置もあります。だいたいの概要を知っておいて、あとは税務署や市役所等の行政の窓口へご相談されることをお勧めします。

 

 

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突然ですが、「雑損控除」というのをご存知でしょうか。

雑損控除とは、災害・盗難・横領にあった場合に、所得税や住民税が一定程度、控除されるというモノです。この雑損控除は「災害」「盗難」「横領」に限定されています

つまり、オレオレ詐欺などの「詐欺」にあっても税金は控除されないのです

 

 

雑損控除を受けられる損害について、国税庁のHPには次のように書かれています。

「次のいずれかの場合に限られます。

(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3) 害虫などの生物による異常な災害

(4) 盗難

(5) 横領

なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。」

「災害」はわかりやすいわけです。地震や洪水、火災などを想像すればわかります。「盗難」も人にものを盗まれたというわけですから何となく理解できます。問題は「横領」なわけです

これについては、裁判例があります。

この裁判例は、詐欺的な投資商法による被害者が投資額を回収できなかったのは雑損控除に規定する「横領」にあたるから雑損控除を適用して税務申告をしたところ、税務署はそれは「詐欺」にあたるのであって「横領」ではないから、雑損控除の適用は出来ないと言ってきたわけです

 

では、「横領」と「詐欺」とはどう違うのでしょうか?

裁判所は「横領」は刑法上の罪である「横領」に当たるものだとしています

では、刑法上の横領とはどういうものをいうのでしょうか。

刑法252条によると、単純横領罪とは①自己の占有する他人の物を横領した者②自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者 について5年以下の懲役に処するとなっています。また、業務上事故の所有する他人の物を横領した場合には、10年以下の懲役に処するとなっていて、これを業務上横領といいます

税務上はこうした「横領」に該当するものが雑損控除に該当するのであって、控除できるのは上記のものに限定されるとしています。ということで、「詐欺」はこれにはあてはまらないことになるわけです。

裁判ではそうは言っていませんが、「詐欺」にあってしまうのも自己責任だと言われているようなものです。いずれにしても、現状では、残念ながら「横領」というのは限定的な解釈がされているのだと理解できそうです。

 

ということで、次回は、雑損控除の「災害」について少し見ていくことにしましょう。

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今日は、実際に私の顧問先であった事例をご紹介いたします。

「夫が事業を始めました。(妻はすでに何年も前から個人事業を経営しています。)夫は事業用の車を買って、私(妻)名義の土地に車を駐車することになったので、駐車場代として賃料を私に支払うことになりましたが、これって経費でいいんですよね?」

この話、皆さんはどう思われますか?

 

この話は、まさに所得税法第56条生計一の親族が支払いを受ける対価」と呼ばれるものです。この規定は、次のように書かれています。

 

居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。」

 

この規定は所得税特有の規定として、税理士試験なんかではよく出てくる規定です。実際、私が税理士試験の所得税を受験した時もこの規定が出題されました。

何が書いてあるのか、よく読まないとわからない(よく読んでもわからないかもしれません)ですが、要するに言っていることは次の三つに集約されます。

 

・親族に経費を支払っても必要経費にはならない。

・親族が代わりに支払った事業に係る経費は必要経費に算入できる。

・親族に支払った側が必要経費にできないのだから、もらった側も収入ではない。

 

さて、この所得税法第56条については、有名な裁判例が2つあります。

一つは、夫が弁護士、妻が税理士という場合で、弁護士である夫が妻に確定申告などの税務業務をやってもらい、経費に計上したわけです。税務署はこれを否認しました。根拠はこの所得税法第56条だというわけです。

もう一つは、夫も妻も弁護士という場合で、夫の弁護士業務の一部を弁護士の妻に業務委託をしていて、その業務委託料を夫が妻に支払ったケースで、このケースでも税務署は経費の計上を否認しました。この根拠も所得税法第56条だというわけです。

 

さて、なぜこのようなことになるのでしょうか。

通説によれば「家族の間で所得を分割して税負担を意図的に減らすことを防止する」と言われています。所得税法第56条は「親族に支払っても経費にできない」といっている一方で、「親族が代わりに経費を支払っても経費にできる」とも言っています。だから、夫婦間のお金のやり取りはなかったものとするというわけです。これは、夫婦両方が事業をやっていたとしても、お互いがお互いに支払ったものを経費計上できるような形にすると、租税回避行為につながるというのもその理由だというわけです。

また、「生計一」というのは一般的には「家族で財布が同じ」ことを言っていると言われます。これについては、所得税法の基本通達2-47によると、勤務の都合上、妻子と別居していても生活費を送金していたり、週末や余暇では一緒に生活している場合も含むとしています。逆の言い方をすれば、全く別に生活を営んでいる場合以外は「生計一」とみなされるとしています

この所得税法第56条の例外規定が所得税法第57条だとされています。所得税法第57条は専従者給与の規定です。青色申告の場合、青色事業専従者としての届け出をすれば、親族であっても支払った給与は届け出の範囲内で給与として認められるというモノです。これは所得税法56条の例外規定とされています。逆の言い方をすれば、専従者給与以外は親族間のお金のやり取りはなかったものとするというわけです。

 

さて、件の私の顧問先の件です。

これは結論としては、残念ながら、奥さんに支払っている駐車場代は賃料として必要経費にはならないと解釈されることになるでしょう。

ただし、たとえば、この夫が法人を設立して、法人に対して貸しているのであれば経費に計上できます。また、逆に妻が法人を設立して、妻が所有している駐車場を法人名義にして、法人が夫に貸している形にすれば経費計上できます。つまり、個人事業のままだとどうしても所得税法第56条の規定が問題になるわけなので、どちらかの事業を法人にすれば経費計上できる可能性が出てきます。また、夫と妻の事業実態にもよりますが、夫と妻の事業を同じ法人にして、その法人が妻の駐車場を借りている形にすれば経費計上できることになります。

また、たとえばこれが夫婦ではなく、内縁関係だったら経費計上が認められることになります。つまり、私の顧問先のケースでも、先ほどの裁判例のケースでも、婚姻関係だから経費計上が認められないわけです。恋人同士だったり、内縁関係だと経費計上が認められ、一方で、婚姻関係にあるととたんに経費計上ができなくなるというのが今の税法の解釈です。しかし、これは、著しく不合理ではないかという反論もあり、この規定自体の廃止を求める動きもあります。

 

いずれにしても、こういうたぐいの話こそ、まずは顧問税理士がいれば顧問税理士に相談すべき話です。税務上のこうしたややこしい論点の話こそ、税理士に相談すべき話なわけです。(そういう趣旨で、この顧問先も私にご相談されたようです)

「生計一の親族が支払いを受ける対価」という話、参考になれば幸いです。

 

 

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さて、今日は介護事業所向けのご案内です。

特定処遇改善加算」という制度が導入されます。

巷ではよく「勤続10年の介護福祉士の給与を月額8万円引き上げる」ということが言われています。
これはあながち間違ってはいませんが、正確な理解の仕方ではありません。多くの事業所では「勤続10年の介護福祉士」がいたとしても、月額8万円までは上乗せできません

では、どのように理解するのが正しいのでしょうか?

また、この加算を取る場合、いくらくらいの金額が増えるのでしょうか?

どのくらい職員に支給できるのでしょうか?

届け出はいつまでに、どのようなものを出したらいいのでしょうか?

こ解説本はまだありません。そこで、弊社では、この特定処遇改善加算をわかりやすく解説いたします。あなたの事業所へ無料でご説明しにお伺いいたします。

詳細については、下記をご参照ください!

 

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社会保険に加入する方が70歳になった時、厚生年金から外れます。その届け出の方法が今年の4月から変わりました。今日はこの届け出の変更についての解説です。

 

まず、前提として、70歳に到達する前後、同じ事業所で社会保険に加入している場合の話というのが前提です。

70歳に達しますと、厚生年金は資格喪失となります。資格喪失日は誕生日の前日です。70歳に達した時点で、社会保険の扱いは厚生年金は資格喪失となりますが、健康保険は引き続き加入することになります。

以前はこの70歳に達して厚生年金は資格喪失となり、健康保険のみの適用になるという「70歳被用者該当」の届け出が必要でした。

今回、4月1日からは原則として、この届け出は必要なくなったということです。年金事務所側で事務処理してくれることになったわけです。

 

70歳以上の方は厚生年金は資格喪失となります。70歳以上で75歳になるまでの間は健康保険のみの加入になり、同時に、在職老齢年金の対象にもなります。つまり、受けている給与の額によっては年金額の支給停止の対象となります。この間は厚生年金は資格喪失となりますから、年金額には反映されません。この点は60歳~69歳までの間の在職老齢年金とは異なります。この間の在職老齢年金は、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受給するので年金額が調整されることになるのですが、厚生年金には加入しているので将来の年金額は増えます。一方で、70歳~74歳の方は厚生年金には加入していませんから、厚生年金の額は増えません。その一方で、在職老齢年金という扱いとなり、年金額の調整の対象にはなってしまいます。

この点は注意が必要な論点です。ちなみに「在職老齢年金」の解説については、私の以前のブログを参考にしてみて下さい。↴

https://vanguardwan.com/blog/%e5%b9%b4%e9%87%91%e3%82%92%e3%82%82%e3%82%89%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%8c%e3%82%89%e5%83%8d%e3%81%8f%e3%81%a8%e5%b9%b4%e9%87%91%e3%81%8c%e6%b8%9b%e3%82%89%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b%e4%bb%95%e7%b5%84

 

また、70歳に達したことで厚生年金の資格を喪失したという届け出は原則は必要ありません。しかし、70歳になった時点での標準報酬月額と70歳に達した時の給与の額から算出した標準報酬月額が違う場合には、「70歳以上被用者該当届」の提出が必要です。

「月額変更届」は固定的賃金の変更があって、3か月間の給与の額の平均を標準報酬月額とします。この「70歳以上被用者該当届」の届け出が必要なケースは、70歳時点の標準報酬月額と70歳時点の給与で計算した標準報酬月額が1等級であっても違う場合に、提出することになります。月額変更届との違いに注意しましょう。

 

さて、改めてこの70歳前後で同じ事業所に勤務している場合の社会保険の届け出の取り扱いを整理すると次のようになります。

 

原則は、70歳に到達したことの届け出は不要

例外として、70歳前後で標準報酬月額が1等級でも差がある場合には届け出が必要

 

また、70歳に到達している従業員がいる場合、その方の名前や生年月日、70歳到達の誕生日の前日を厚生年金の資格喪失日とし内容の書かれている資格喪失届が事業所に送られてきます。会社側としてはその内容に間違いがないかを確認して、給与の標準報酬月額が1等級でも相違がないかを確認して、特に何もなければ届け出はしなくていい、ということになります。

 

今日は、今年の4月1日から変更があった70歳に到達した時の届け出のことについてでした。



今年の4月から入国管理法が改正され、4月から新たな在留資格が付与されることとなりました。これに伴い、ますます外国人が入国し、外国人が日本国内で仕事をすることとなってくることが予想されます。それにあわせて、来年の4月から健康保険の扶養の認定基準が変わろうとしています。

 

その前に、現在の健康保険の要件の中に「日本国内に居住していること」という要件がないことをご存知でしたでしょうか?扶養にする要件としては年収130万円未満であることなどの要件はありますが、実は、日本国内に居住していなくても扶養になれます。そのため、外国人が日本で社会保険に加入した場合、たとえば、その外国人の本国にご家族を残しているようなとき、その親族は外国に居住していても扶養になることが出来るわけです。

 

この外国人が社会保険に入った場合、本国のご家族も扶養にできるという話は、以前に私のブログでもご紹介しています。↴

https://vanguardwan.com/blog/%e5%a4%96%e5%9b%bd%e4%ba%ba%e3%82%92%e7%a4%be%e4%bc%9a%e4%bf%9d%e9%99%ba%e3%81%ab%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%82%8b%e6%89%8b%e7%b6%9a%e3%81%8d%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%97%e3%81%9f%e3%82%89%e3%81%84

 

 

その扶養親族が配偶者の場合、健康保険だけではなく厚生年金の扶養にもなります。つまり、第3号被保険者にもなってしまいます。外国人の扶養親族が日本に来ていなくても日本の年金を受け取ることが出来る可能性が発生するわけです。

ちょっと違和感がありますよね?

これは、健康保険は国民健康保険、年金は国民年金の自営業者と比較するとよくわかります。実は、国民健康保険や国民年金には国内居住要件というのがあります。つまり、国民健康保険や国民年金に加入するには日本国内に住んでいないといけないわけです。それと比べてみると違いが良くわかりますよね。

 

自営業者の加入する国民健康保険や国民年金は日本国内に居住していないといけない一方で、会社員の加入する健康保険や厚生年金には国内居住要件がないというのはなんだかおかしな話のように思えます。ですが、被保険者本人に関しては、たとえば、社命で海外赴任するような場合、健康保険や厚生年金に入れないと不利益になる可能性があります。ですから、被保険者本人については国内居住要件がないことは仕方のないことだと言えます。しかし、被扶養者が日本国内に居住していなくても日本の健康保険や厚生年金に加入できてしまうのは少し違和感を感じてしまいますよね。

 

冒頭の入管法の改正を受け、日本で働く外国人に扶養親族がいる場合、特に、その扶養親族が配偶者の場合、日本国内に住んでいないと扶養親族として健康保険や厚生年金(第3号被保険者)とならないという要件を付け加えた、というのが今回の改正ということです。

 

ちなみに、この改正は来年の4月から適用となります

外国人が働く機会の多くなってきた昨今、このような話もよくある話ですから、この機会に知っておいてもいい話だと思います。



さて、今日も介護施設の消費税の話です。

今年の10月から消費税率が10%に引き上げられます。一方で、飲食料品の提供については8%です。では、介護施設での食事の提供についてはどのようになるのでしょうか。これは「有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供」については、消費税は軽減税率、つまり、8%になるとされています

さて、この「有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供」とは、どういったものをいうのでしょうか?

その前に前回の復習です。

介護サービス業のうち、有料老人ホーム等で行う食事の提供は消費税が課税されることになるのでした。これは国税不服審判所の裁決等でそうした判断が行われているのでした。有料老人ホーム等で行う食事の提供は消費税がかかる。今日の話はこの点を前提にした話です。

では、有料老人ホーム等で行う食事の提供は8%の消費税になるのでしょうか?10%の消費税になるのでしょうか、というのが今日の話です。

 

その上で、国税庁のQ&Aに詳しく回答が出ていますのでそれをご紹介いたします。

 

問60 当社は、有料老人ホームを運営しています。提供する食事は全て税抜価格で、朝食500円、昼食550 円、夕食640 円で、昼食と夕食の間の15 時に500 円の間食を提供しています。これらの食事は、軽減税率の適用対象となりますか。

 

軽減税率の適用対象となる有料老人ホームにおいて行う飲食料品の提供とは、老人福祉法第29条第1 項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます( 改正法附則34①一ロ、改正令附則3 ②一) 。

また、軽減税率の適用対象となるサービス付き高齢者向け住宅において行う飲食料品の提供とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」第6 条第1 項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます( 改正令附則3 ②二) 。

これらの場合において、有料老人ホーム等の設置者又は運営者が、同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額( 税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています

ただし、設置者等が同一の日に同一の入居者等に対して行う飲食料品の提供のうち、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供( 640円以下のものに限る。) をあらかじめ書面により明らかにしている場合には、その対象飲食料品の提供の対価の額によりその累計額を計算するものとされています( 平成28年財務省告示第100号) 。

ご質問の飲食料品の提供について、あらかじめ書面により、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を明らかにしていない場合は以下のとおりとなります。

朝食( 軽減) 昼食( 軽減) 間食( 軽減) 夕食( 標準) 合計( 内軽減税率対象)

500円≦640円 550円≦640円 500円≦640円 640円≦640円 = 2,190円( 1,550円)

(累計500 円) (累計1,050 円) (累計1,550 円) (累計2,190 円)

夕食は、一食につき640 円以下ですが、朝食から夕食までの対価の額の累計額が1,920 円を超えていますので、夕食については、軽減税率の適用対象となりません。

なお、あらかじめ書面において、累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を、朝食、昼食、夕食としていた場合は以下のとおりとなります。

朝食( 軽減) 昼食( 軽減) 間食( 標準) 夕食( 軽減) 合計( 内軽減税率対象)

500円≦640円 550円≦640円 500円≦640円 640円≦640円 = 2,190円( 1,690円)

(累計500 円) (累計1,050 円) 累計対象外 (累計1,690 円)

 

 

長いですが、Q&Aをすべて引用しました。

まず、前提として有料老人ホーム等で行う食事の提供です。サービス付き高齢者住宅も入ります。この場合の軽減税率の取り扱いという話です。

 

その上で、8%になるのは1食が税抜きで640円以下で、なおかつ、1日の食事代が税抜きで1920円まで となっています

国税庁のQ&Aで出ているのが、1920円を超えた場合、超えた食事(このQ&Aでは夕食で1920円を超えるとなっています)から10%で計算することになると言っています。

これを例えば、8%になる食事を「朝食・昼食・夕食」と明記すれば、この3食は8%で、間食は10%になると言っているわけです。

もし1日の食事代が税抜きで1920円を超えるようだったら、契約書で3食については8%で計算すると明記すればいいということになります。

 

また、特別な食事の提供については、「患者の自己選択により、特別メニューの食事の提供を受けている場合に支払う特別の料金については、非課税となりません。また、病室等で役務を伴う飲食料品の提供を行うものですので、「飲食料品の譲渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません( 改正法附則34①一ロ)。」となっています。ぜいたく品は軽減税率(8%)にはならないというわけです。

 

そして、「有料老人ホームとの給食調理委託契約に基づき行う食事の調理は、受託者である貴社が、委託者である有料老人ホームに対して行う食事の調理に係る役務の提供ですので、軽減税率の適用対象となりません( 軽減通達13)」とあるように、食事の提供をそもそも業者に委託している場合には、軽減税率の対象ではなく、10%で計算されることになります。

 

実務的には、有料老人ホーム等で行う食事の提供について、なるべく8%で計算する形にしたいという部分だと思います。どのようにしたら8%となるのか、8%で計算できる方法を検討する必要があります。

 

また、売上の方は8%の軽減税率で計算できたとしても、食事の提供に伴う食材の食材の仕入れなどの支払う方の消費税はどのようになるのでしょうか。

食材の仕入れについては原則的には8%の軽減税率になります。ただ、モノによっては10%の消費税がかかるものもあります。たとえば、食事の提供に伴って使用する容器代は10%の税率でかかります。あるいは、調味料で使うみりんやお酒なども同様に10%の消費税かかります。つまり、食材の仕入と言ってもすべてが8%となるわけではなく、10%で支払うものもあるわけです。そうだとすると問題なのは、今までよりも食事にかかる原価がかかってくるというわけです。それを利用者さんに転嫁するのか、あるいは、その分は事業所の負担にするのか、そういった検討も必要になってきます。

 

10月の消費税率の改正まではまだ時間はあります。

食事にかかる費用も含め、利用者さんへの料金をどのようにするのか、よく検討しないといけない論点だということを知っておきましょう。



今日は介護施設の消費税の経理処理の話です。

この話は実は会計事務所でも処理を間違えているケースがあるようで、実は非常に難しい問題です。

介護サービス業を営む事業では消費税はどのように取り扱うのが正しいのでしょうか?

消費税法別表第7号は消費税の非課税取引について、次のように書いています。

 

イ 介護保険法の規定に基づく居宅介護サービス費の支給に係る居宅サービス(訪問介護、訪問入浴介護その他の政令で定めるものに限る。)、施設介護サービス費の支給に係る施設サービス(政令で定めるものを除く。)その他これらに類するものとして政令で定めるもの

 

では、上記のうち「その他これらに類するものとして政令で定めるもの」とは何を指しているのでしょうか?

介護保険法施行規則第61条には次のように書かれています。

 

厚生労働省令で定める費用は、次の各号に掲げる居宅サービスの種類の区分に応じ、当該各号に定める費用とする。

一 通所介護及び通所リハビリテーション 次に掲げる費用

イ 食事の提供に要する費用

ロ おむつ代

ハ その他通所介護又は通所リハビリテーションにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの

二 短期入所生活介護及び短期入所療養介護 次に掲げる費用

イ 食事の提供に要する費用

ロ 滞在に要する費用

ハ 理美容代

ニ その他短期入所生活介護又は短期入所療養介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの

三 特定施設入居者生活介護 次に掲げる費用

イ おむつ代

ロ その他特定施設入居者生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの

 

上記をわかりやすくまとめてみるとこのようになります。

 

介護保険法のサービスのうち次の三つは非課税

①居宅サービス(訪問系・通所系サービス)

②施設系サービス

③その他の付随する介護サービス

 

上記のうち③その他の付随する介護サービスというのは次の三つ

 ①デイケア・デイサービス

 ・食事の提供

 ・おむつ代

 ・その他日常生活に必要なサービス

 ②ショートスティ

 ・食事の提供

 ・滞在費用

 ・理美容代

 ・その他日常生活に必要なサービス

 ③介護付き有料老人ホーム

 ・おむつ代

 ・その他日常生活に必要なサービス

 

誤解を恐れずにまとめれば上記のようになるわけです。

これをよく見ると、介護付き有料老人ホームについては「食事の提供」が入っていないことがわかります。つまり、介護付き有料老人ホームでの食事の提供は消費税がかかる取引であるということになります。介護付き有料老人ホームからあえて「食事の提供」を外しているのは、介護付き有料老人ホームの食事の提供は課税であるという解釈になるわけです。

 

この論点については、有料老人ホームを経営する法人が争った事例で、国税不服審判所で裁決が出ています。その際に、上記の条文が引き合いに出され、「介護付き有料老人ホームでの食事の提供は課税」という判断が下されています。

また、同時にこの裁決では、「洗濯及びドライクリーニング」については「その他日常生活に必要なサービス」に含まれるとして、消費税は非課税と判断されています

 

また、「利用者の選定に基づき特別に提供されるサービス」は消費税が課税されるとされています。これは、たとえば「特別な食事」とか「特別な居室料」とかが該当します。利用者が介護保険法に基づく介護サービスを超えて特別にサービスの提供を受ける場合、つまり、ぜいたくなサービスに対しては消費税が課税されます。これは勘違いしてはいけないのは、介護保険法に基づく介護サービスを自費で徴収した場合を指しているわけではありません。介護保険法でいうところのいわゆる「支給限度額」を超えたサービスは介護保険法を超えているサービスであるため「自費」として料金を徴収されます。この場合は、介護保険法に基づくサービスの延長なのであれば非課税であることに変わりはありません。

 

さて、上記をまとめますと、介護事業所が提供する介護サービスで消費税がかかるのは原則的には次の二つになります

①ぜいたくなサービス

②介護付き有料老人ホームでの食事の提供

 

介護保険の許認可を受けているところでは、これ以外は消費税は原則的にはかからないと整理してしまっていいのではないかと思います。

 

この介護施設の消費税の話は会計事務所でも取り扱いに迷う部分でもあります。医療法人などですと、医療保険が使えないものは「自費」として経理処理します。この「自費」として経理処理したものは消費税が課税されると整理しています。それとの違いがあり、特に医療系に強い会計事務所では取り扱いに迷うケースがあるように聞きます。

これは、国税局の出している通達などでは判断がつかず、介護保険法ともあわせて考えないといけないということも原因にあるようです。

介護サービス業での消費税の取り扱いについて、このブログで情報を整理していただければと思います。



今日は時々いただくご質問の中で、解雇すると雇用保険の助成金が受給できないというものです。これについて、ちょっと考えてきましょう。

解雇すると助成金が受給できないというが、解雇したらもう助成金は受給できないのか」というようなご質問をいただくことがあります。

また、たとえば、有期雇用契約の社員がいて、期間の満了によって労働契約が終了したような人もこの「解雇」になるのか、というようなご質問をいただくこともあります。

 

雇用保険の助成金が受給できなくなる解雇というのは、会社都合の解雇のことを言っています。もっといえば、雇用保険の資格喪失の手続きの際に喪失理由を「3 会社都合」とした場合のことです。この喪失理由を「3」にしてしまうと、ほとんどの助成金は受給できません。また、助成金が受給できないというのはずっと受給できなくなるわけではありません。解雇の場合の助成金の受給制限は、解雇があってから6か月以内に申請する助成金が対象となります。したがって、解雇から6か月以上経過した後であれば、助成金の受給制限にはかかりません。

 

また、この場合の「解雇」とは雇用保険の資格手続きの際に、「喪失原因」を「3 事業主の都合による離職」にしている場合です。ですから、たとえば、「期間満了による労働契約の終了」は雇用保険の資格喪失届の手続きの際、「2 3以外の離職」に○を付すので、問題がないということになります。

 

また、「有期雇用契約の途中で労働契約を解除した」場合でも、本人の退職の意思表示があって退職した場合や、その社員に何らかの不正があるなどして就業規則上、処分をしたことに伴い退職したような場合などは上記の雇用保険の資格喪失原因が「2」になるため、問題はありません。「有期社員の期間途中解約」で解雇になるのは、会社の都合で有期雇用契約期間の途中で辞めさせた場合に限ります。

 

つまり、助成金の受給制限がかかるのは、手続きの際に「3 事業主都合による離職」にした場合と整理できるわけです。また、受給できなくなるのは、あくまでも、解雇してから6か月以内にする助成金の手続きということになります

 

よく、解雇にすると従業員さんが雇用保険をすぐもらえるようになるから、解雇にしてあげるというような話があります。辞めた従業員さんがすぐに再就職しないような場合、雇用保険をもらってから再就職しようと考えて、会社に解雇にしてもらうようにお願いするわけです。解雇ですから、上記の雇用保険の手続きの際に「3 事業主都合による離職」を選択して手続きすることになります。もしその後6か月以内に助成金申請をするような場合には、助成金の申請ができないということになりますので、この点は注意が必要です。

 

そもそも「解雇」にするというのは労務管理上、リスクのある話です。雇用保険の助成金だけでなく、その解雇が正当な解雇だったのかとかという問題もあるわけなので、通常、退職の場合、なるべく「3事業主都合による離職」を選択した手続きは取らないほうがいいでしょう。

 

ということで、今日は、助成金の解雇による受給制限の話でした。