手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

今日はマイナンバーの話です。

最近、マイナンバー関係の質問がまた多くなってきました。多くは会社側というよりかはマイナンバーの提出を求められるケースでの対応についてです。

先日も、ある会社の社長さんからの質問でこんなものがありました。

「以前にやった仕事について、マイナンバーの提出依頼があったんです。あまり乗り気のしない仕事でお断りしていたんだけど、どうしてもと言われるのでやったんです。そうしたら、今度は『マイナンバーを出してくれ』ってお手紙が来たんです。半分、かちんと来ているんですけど、これって出さないといけないんですか?」

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気持ちはわかる気がします。

どうしてもと依頼された仕事をやったら、個人情報の最たるものである『マイナンバー』の提出を求められた・・・

心理的には「なんでださなきゃいけないの」となるのも何となく理解はできる気がします。

 

では、マイナンバーの提出を拒否した場合、法律的にはどうなっているのでしょうか。

まず、マイナンバーの提出を求められた側が提出を拒否しても、法律上の罰則はありません。また、提出を拒否してもマイナンバーの提出を求めた会社側も一応、問題はないということになっています

マイナンバーの提出を求める側(会社側)の視点からのものですが、国税庁のマイナンバーに関するF&Q【法定調書関係(総論)Q1-2】は次のように書かれています。

 

「法定調書の作成などに際し、従業員等からマイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合でも、安易に法定調書等にマイナンバー(個人番号)を記載しないで税務署等に書類を提出せず、従業員等に対してマイナンバー(個人番号)の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。

それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。

経過等の記録がなければ、マイナンバー(個人番号)の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。

なお、税務署では、番号制度導入直後の混乱を回避する観点などを考慮し、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも書類を収受することとしていますが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることから、今後の法定調書の作成などのために、今回マイナンバー(個人番号)の提供を受けられなかった方に対して、引き続きマイナンバーの提供を求めていただきますようお願いします。 」

 

今回のご相談の趣旨は、会社側ではなく、マイナンバーを求められる側の話です。このF&Qは会社側の話です。会社側の話ですが、会社側からしても、結局、マイナンバーの提出がなされなくても問題ないと言っているわけです。

それから、このケースのマイナンバーの問題で考えないといけないのは、マイナンバーを求めるのが従業員ではないケースだということです。従業員であれば、たとえば就業規則で「マイナンバーの提出をしない場合に生じた不利益は本人が負うものとする」とか規定の中に盛り込んでおけばいいとは思います。しかし、社外の人には強制できませんよね。ということは、逆にいえば、マイナンバーを求められる側としたら、マイナンバーの提出は強制できないはずだと提出を拒否してもいいことになります。

 

それから、もう一つ。

支払調書を作成する人すべてにマイナンバーを求めないといけないわけではないということです。

マイナンバーの提出が求められるのは税務署等に書類を提出する場合にはマイナンバーを書いて出してほしいと言っているわけです。つまり、マイナンバーを出してほしいと言っているのは会社ではなく、会社を通して国が出してほしいと言っているわけです。

では、そもそも支払調書を提出しないといけないのはどういう人でしょうか?

 

外交員など・・・報酬の額が年額50万円以上の場合

弁護士、税理士、社労士など・・・報酬の額が年額5万円以上の場合

講演料などの報酬・・・報酬額が年額5万円以上の場合

不動産使用料・・・支払額が年額15万円以上の場合

 

ということは、逆にいえば、たとえば講演をしてその支払額が5万円以下の場合にはそもそも支払調書の提出義務はありません提出義務はないのだからマイナンバーも出さなくても法律的にも問題ないことになります。

報酬を支払ったら(もらったら)一律にマイナンバーを出さないといけないというのは少なくとも法律の理解の仕方としては間違えているということになります。

 

いずれにしてもこのマイナンバー制度は、まだまだ多少の混乱はあるように思います。

もらう側になったり、マイナンバーを求める側になったり、経営者の場合にはいずれの立場にもなりうると思います。ですので、上記のような制度の法律的な部分はきちんと押さえておくことは必要かと思います。

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さて、今日は治療院の法人化の話です。

治療院が法人化するメリット・デメリットというのはよく言われた話なのでご存知の方も多いでしょう。法人化するメリットは何といっても「法人から役員報酬をもらう形にすることで節税が図れる」ことです。そもそも法人化するのは節税のためというのが最も一般的な理由でしょう。

しかし、治療院が法人化するもう一つ大きなメリットがある のはあまり語られない部分です。

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治療院というのは、柔道整復師、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師などの国家資格者だったり、セラピストなどの民間資格者だったりがやるケースが多いはずです。法律的な言葉を使えば、その院長先生の一身専属な権利によっているわけです。

要するに、他に変えられない人がやっているのが治療院の経営です。

このような治療院経営の状況において、たとえば、院長先生に何かあったらどうするのでしょうか?

怪我をする、病気になる、亡くなってしまう・・・

 

経営者である院長先生が亡くなってしまったら、個人事業の場合、そこで働いている従業員さんはどうなってしまうのか。

この答えに、かなり古い裁判例があります。昭和25年の裁判でこんなことが書かれている判例があります。

企業経営者が個人の場合における相続、法人の場合における相続においては、相続人または新会社に一切の権利義務が包括的に承継されるので、このような場合には、企業主体が交代しても労働契約は継続しているものと解されて、従前の企業主体との労働契約関係は、解雇によって消滅したとみる必要がない

 

つまり、個人事業主が亡くなっても、その個人事業主の相続人にその事業が相続される と言っているわけです。

治療院の場合、院長先生の奥さんだったり、お子さんだったり、お父さん・お母さんにいったん相続されます。亡くなったこと自体では事業は終わりにはならないわけです。

 

しかし、治療院の先生もお分かりの通り、たまたま相続した、たとえば奥さんが治療家の資格者であればいいですが、治療家の資格を持っていない人が相続人になることがほとんどでしょう。そうなると、事業の継続自体、できないことになります。

さて、どうするのか。

このような場合には、院長先生の相続人にいったん事業自体が相続されて、その後そこで働いていた従業員さんには辞めてもらう、つまり、解雇するということになるんだろうと思います。

 

何が言いたいのか、わかりますか?

つまり、個人事業の場合、結果として従業員さんを守れないことになってしまうわけです。

 

これが、法人だったらどうなるのか?

法人化した後、私は治療院の先生にお勧めすることがあります。

それが法人名義での生命保険の加入です。この目的は二つあります。

一つは、将来、治療院を閉院する際に、院長自身がその生命保険を解約して、その解約返戻金相当額を院長自身の退職金にあてられます。つまりは、法人という組織を使うことで院長自身の退職金を支払うことが可能になるわけです。個人事業では自分で退職金というのはできません。一方で、法人化することで院長先生ご自身が法人から退職金をもらうことができるようになります。(小規模企業共済というのを使えば退職金の支払いができるのですがそれは法人化しても継続できるので、個人か法人かにおいては差がない部分です。)

もう一つは生命保険の本来の趣旨です。つまり、院長自身が亡くなった時、保険金が会社に入ります。その保険金で従業員さんに給与を支払ったり、あるいは、院長が亡くなって事業継続が不可能であれば従業員さんにいくらかの退職金も支払うことができます。また、ご家族がいらっしゃれば、ご家族に死亡退職金も支払うことができます。つまり、法人という組織を使うことで、結果として従業員さんだったり、院長自身ご家族も守れるわけです。

 

もちろん、個人であっても生命保険に入れます。しかし、法人と個人の最大の違いは個人では生命保険料控除で年間4万円しか控除できません。一方で、法人で生命保険に加入すれば定期保険であれば支払額の半分は損金として経費処理できます。落とせる金額が法人の方が大きくなります。

 

このように、法人化するということは「節税」だけではなく「万が一の備え」にもつながるというわけです

一般的には法人化というと、節税を図るといった目的に焦点が当てられがちですが、治療院で働く従業員やご家族を守ることもできるんだということも知っておいていいことだと思います。

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大手の広告代理店、電通の社員が過労が原因でうつ病にり患し自殺したことが労災認定受けた件で、労働局が強制捜査に入りました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161014-00000093-asahi-soci

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この件に関しては、ネットでも結構、厳しい意見が多いようです。

それはそうだろうと思います。長時間労働もさることながら、上司からの言葉によるパワハラもあったようです。おそらく、ネットへ書き込みをしているのは同じ立場の会社員が多いのではないかと思います。長時間労働に加え、パワハラがあったということが、自身と重ねてみてネットでの厳しい意見につながっているのではないのかと思います。多くの経営者はかつてはサラリーマンだった人が多いはず。そのことを思い出せば、わかるはずです。

 

電通のこの件は、何らかの形で裁かれることになるのでしょうが、ここで経営者の皆さんが知っておきたいのは、労基法違反というのは刑事罰の対象だということです。

特に、過労死だったり事故になった場合には、経営者は実際に刑務所に入るような罪になるということです。

脱税もそういう傾向がありますが、労基法違反というのも結構、刑事罰という発想がない経営者が多いと思います。ここは経営者は肝に銘じないといけません。

 

もう一つ。今回の件もそうですが、近年の傾向として、長時間労働は労災の認定がされやすいということがあります。基準としては、1か月の時間外労働が80時間というものがあります。1ヶ月の時間外労働が80時間以上の月が2か月以上続くと、労災認定されやすいです。また、たとえばうつ病にり患した従業員さんが直近の1か月で時間外労働が100時間を超えた場合では、かなりの確率で労災認定されます。

労災認定されるということは、つまり、うつ病などの精神疾患の原因は会社にあるということです。言い換えれば、会社に安全配慮義務が足りなかったということになり、もっと言えば、経営者が刑事罰の対象になるということを意味しています。つまりは、単に労災の話だけではないわけです。1ヶ月で80時間以上も残業があると、いろいろな意味で会社としてはリスクが高いということは肝に銘じておくべきです。

ちなみにですが、今回、電通の元社員が問題になりました。

我々社労士もそうですし、もちろん弁護士もそうだと思いますが、労働問題に携わっている人にとって、「電通」という会社はよく出てくる会社なんです。

ネットで、「電通 裁判(例)」とかで検索すると出てくると思います。以前にも(2000年の裁判です)電通では、過労が原因でうつ病で自殺した社員がいました。その遺族が電通を相手に裁判をしたケースがあります。過労とうつ病の因果関係について、裁判例が確立されたのはこの事件が契機になっています。2000年の裁判例はメンタルヘルスの問題の基準になっているんです。

労働局の強制捜査が入ったのも、以前にも同じようなことがあった会社でまた同じようなことが起こったことがあると思います。正直言って私は、「また『電通』なんだね」といった感じで捉えています。電通という会社の社内のことは良く知りませんが、長時間労働が常態化するような雇用環境があるのかもしれません。

電通という会社にとってもこういう一件があると採用が難しくなるなど、大きな影響があるでしょう。会社のイメージという面でも損失は大きいです。

いずれにしても、経営者はこの電通の一件から知っておくべき重要なことがあると思うわけです。

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今日は、法定労働時間の話です。

法定労働時間は、1日で何時間でしょうか?

8時間ですよね。

では、1週間では何時間でしょうか。

40時間ですよね。

ですが、業種や業態によっては、これが44時間になることがあります

これはご存知でしたでしょうか。

 

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「1週間の労働時間は44時間でいいんですか」というのは、たまに治療院だったり、内科や外科、歯科といったクリニックの先生からも受けることがある質問です。

労働基準法にある「労働時間の特例」というもので、次のように規定されています。

 

次の業種のうち、常時使用する労働者の数が10人未満の事業所は1週間の労働時間を44時間とすることができる。

  • 小売、卸売、理美容業などの商業
  • 映画館、演劇業など
  • 病院、診療所などの保健衛生業
  • 旅館、飲食店などの接客娯楽業

 

 

たとえば、クリニックだったり、一般の商店や飲食店の場合には、1週間の労働時間は40時間ではなく、44時間でいいわけです。

ただ、気をつけないといけないのは、1日の労働時間の限度は8時間です。ここは変わりません。

具体的にどのような影響があるのか、少し考えてみたいと思います。

 

たとえば、治療院で、勤務時間が月~金で1日8時間だったとします。

月~金 9時出勤で休憩が2時間、19時までの勤務だったとします。

これで40時間です。治療院の場合、土曜日もやっていたりします。土曜日の勤務を9時から13時までの4時間勤務とすることができます。

あるいは、月から土の勤務で、1日の労働時間を7時間20分ずつにすれば、ちょうど44時間となります。

より柔軟な勤務体制が取れそうです。

 

この規定のポイントがいくつかありますので、それについて触れていきたいと思います。

 

  1. 1か月単位の変形労働時間制を適用する場合には、この労働時間の特例は使えるが、1週間単位の変形労働時間制や1年単位の変形労働時間制では、週の労働時間は40時間になります。1か月あたりの労働時間で17時間ほど、差が出てきます。                                                              1か月単位の変形労働時間制というのは、1か月の労働時間をガラガラポンして、すべて合算して考えるやり方です。1週間単位や1年単位の変形労働時間制も同様です。1週間や1年で労働時間をガラガラポンする労働時間の計算の仕方です。週の労働時間が40時間ですと、1か月あたりの労働時間は173.8時間になりますが、週の労働時間が44時間ですと、1か月あたりの労働時間は191.1時間となります。
  2. 前提として、この労働時間制が使える事業場は「常時10人未満の労働者数」の事業場であることがあります。業種が該当しても(たとえば飲食店で該当する場合でも)10人以上いれば適用できません。ここは実務上、解釈が難しい部分ですが、私は「所定労働時間を最初から最後までいる従業員さんの数」として考えています。社員だけではなく、パートさんでも労働時間が長ければ「常時使用する労働者」と言えるだろうと思います。まったくイコールではないですが「雇用保険の被保険者数」がかなり近いと思います。「雇用保険の被保険者数」で、10人未満かどうかを判定してみてください。
  3. あとは、業種が44時間の労働時間が適用になる業種かです。                「保健衛生業」には、治療院も介護事業所も入ります。「常時使用する労働者」が10人未満の介護事業所であれば、週の労働時間を44時間として定めることが可能です。

 

これを知って、「うちも1週44時間にしよう」と思われた治療院の先生や介護事業所の経営者の方も多いことと思います。

しかし、一般的には「週の労働時間は40時間」が定着しています。 「なんでうちだけ週の労働時間は44時間なの?」という従業員さんの不満が出てくる可能性があります。

週44時間制を運用するのはその辺も考慮したほうがいいと思います。

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鳥飼総合法律事務所という法律事務所があります。

所長の鳥飼先生はなんと、19回も司法試験を受けて司法試験に合格されたんだそうです!

その鳥飼先生があるセミナーで面白いことをおっしゃっていました。

「士業の名刺は価値がない」「むしろ、士業であることはデメリットが多い」というような話です。

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「士業」というと、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士・・・

いわゆる国家資格です。こうした国家資格の皆さんのイメージってどういうイメージでしょうか?

なんかエリートという感じでしょうか?あるいは、国家資格があれば食べるのに困らないというイメージですかね。

私は以前から、こうした国家資格で仕事をすることは、むしろ儲からないことになってしまうと思っています。私の持論でもあり、いろんなところでそういう話をしてきたつもりです。

あの鳥飼先生が、私が考えてきたのと同じことをおっしゃっていたので、私は「やっぱりそうだよね」なんて、一人で合点しています。

たぶん、多くの士業の方(弁護士や税理士など)は「そんなことはない。士業の資格は十分儲かる」なんてと言うんでしょうね。そういう方は気づいていないんです。士業なんていうものの価値はとうの昔に崩壊しているんです。顧問料が上がらない割にリスクだけは増えている。なのに、ほとんどの士業はまだ資格にこだわっているんです。

私の感覚では士業の9割の方は本当には気付いていないと思います。

 

経営者の皆さんが「○○士」と書いてある名刺をもらったらどう思いますか?

たとえば、「税理士」と書いてある名刺をもらったとします。たいていの会社さんは税理士との顧問契約はしているはずです。「他で頼んでいるので・・・」こんなことを言うはずですよね。この時点で、その「税理士」先生とはたぶん連絡を取ることはないだろうと思います。

弁護士の名刺をもらったらどう思いますか?「何かあったらお願いします」なんてことをいいますよね、きっと。でも「何かあったら」というのは十中八九、ないですよね。

結局、せっかく名刺を渡しても「○○士」と書いてあるために、その資格の範囲のことを思い浮かべてしまうために、みすみすチャンスを逃してしまっているわけです。

一方で、「経営コンサルタント」と書いてあったらどうでしょうか。たいていの経営者は、何かしら悩みを抱えています。なんか、相談したくなる。つまり、次に話が続く確率が上がる。それがビジネスチャンスになる。そんな話をこの前述の鳥飼先生はしていました。

 

私は、鳥飼先生のこうした話に割と近い感じなのですが、「この分野が得意なコンサルタントです」というような感じでアプローチしています。私の場合には、それが「整骨院」だったり「介護事業所」だったりします。自己紹介するとき、私は「整骨院や介護の経営者のお手伝いをしています」なんていうわけです。

そういうように言ったほうがわかりやすいですし、ビジネスチャンスにつながる可能性が高いと思うんです。言われた方が「整骨院」や「介護」の経営者であれば、すでに顧問契約している税理士がいたとしても、税務でない部分の相談だったら話がつながることがあり得ます。たとえば、整骨院だったら「返戻がうちの整骨院って多いんですけど、よそはどうしているんですかね」とか、介護事業所だったら「スタッフがすぐに辞めるんですけど、よそはどうしてるんですかね」とか「処遇改善加算の相談って乗ってくれますか」なんていう話に実際、なったりします。

仮に、「整骨院」や「介護」の経営者でない人だったとしても、その人の知人に「整骨院」や「介護」の経営者がいれば、ご紹介いただくこともあり得ます。だって、「整骨院や介護の経営コンサルタント」なんてあんまりいませんからね。

 

経営者の皆さんはどういう基準で会計事務所を選んでいるのでしょうか?

自戒の念を込めて言いますと、「○○士」という資格者は経営者が言う前向きな話に「それは法律的に(税務上)×××があってできないです」なんていって話を止めがちです。知識があるがゆえに、そう言ってしまうんです。でも、多くの経営者はそんな答えは期待していないんです。「どうやったらできるのか」なんです。士業の方の言う「できない理由」を聞きたいわけではないんです。

士業の最大の弱みは、枠組みの中で物事を考えがちということです。

私が思うにですが、経営者が選ぶべき会計事務所はこの「できない理由」を言う事務所ではなく、「どうやったらできるのか」を一緒に考えてくれる事務所ではないのかと思うのです。

 

経営者の皆さんも、「士業」というものの性格を踏まえて、自社にあった会計事務所を選んでみてはいかがでしょうか。

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参議院の予算委員会の質疑で、共産党の小池晃議員が、稲田防衛大臣の政治家のパーティーの参加費の領収書について、質問していました。

政治家のパーティーでは、参加者に白紙の領収書をもらうことが多々あるそうで、金額やあて名は参加者側が記入するんだそうです。

どうやら菅官房長官にも同じようなことがあるようで、しかも政治資金規正法でも特にこの辺に規制はないらしいです。現に、菅長官も小池議員のこの質問にそう答弁しています。

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白紙の領収書を渡されたら、経営者の皆さんはどうされますか?

経営者の皆さんはこの辺はお分かりですよね?

このブログをお読みの方がサラリーマンだと、あまりそういう発想はないかもしれませんが、金額を自由に書き込める領収書をもらったらどうしますか?それであれば、多めに記載しようと思ったりしませんか?

つまり、多めに領収書の金額を記載する→経費が多くなる→納める税金が減る

ということで、白紙の領収書は「脱税」につながるわけです

サラリーマンにはあまりない発想でしょうが、経営者は常にそういうことを考えていますからすぐにわかる話です。

 

では、「税法」では領収書の記載について、どのように書かれているのでしょうか?

「税法」では消費税法で、領収書の記載について規定されています。

領収書には、以下の項目が記載されていないといけないと記述されています。(消費税法30条9項)

 

  1. 発行者 2. 取引日時 3. 取引内容 4. 金額 5. 書類の受取人

 

ただし、このうちの5番目の要件は以下の業種では、領収書は「宛名無し」でもOKとされています

 

  1. 小売業 2. バス、鉄道、航空会社などの旅客運送業 3. 旅行に関する事業 4. 飲食業 5. 駐車場業

 

小売業、飲食店や鉄道などの乗り物、あるいは駐車場などでは、相手にする顧客の数が多すぎていちいち宛名を書いてもらわないと思います。そういう意味の規定です。

 

まあ、当たり前といえば当たり前ですが、白紙の領収書については、特に記述はありません。税務署は「実態がどうだったか」を重視しますから、白紙だからダメとか、「上様」と宛名に書いてある領収書だからダメとか、少なくともそういうことではないとは思います。ないとは思いますが、その領収書を有効に経費として落としたいのであれば、きちんと宛名と金額、できれば但し書き(上記で言うところの「取引内容」ですね)は書いてもらうべきです。白紙の領収書に同じ筆跡で、宛名と金額がかかれていたら「本当にこれはこの金額なの?」「そもそも経費なの?」と疑われてもおかしくありません。

自分で金額やあて名は書かない。これが原則でしょう。特に、金額は支払ったことを証明するものですから、自分では書かないほうがいいでしょう。

税務署に疑われないためにも「宛名と金額は書いてもらえますか」くらいは、相手方に言うべきです。

 

さて、件の稲田大臣や菅官房長官です。

自分で領収書を書いて政治資金というのはいかにもお粗末です。ましてや「政治資金規正法では違法ではない」と答弁するなんて言うのは、私の感覚からすると理解しかねます。

富山市議会で、政務活動費の不正受給の問題が噴出した際に、あろうことか領収書を改ざんした例があったようですが、こんなことは論外です。

以前にもこのブログで書きましたが、経営者にとって最低限必要なのは倫理観だと思います。↴

コンプライアンスには倫理上の問題もあります!

「税務署が怖いから」ということではなく、当たり前ですが、こうしたことをきちんとすることが経営者の最低限の努めではないかと思います。

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    さて、今日は雇用保険の話です。

    まず、その前に。雇用保険って65歳以上は加入できない ことはご存知でしたか?

    65歳以前から雇用保険に加入していたのであれば65歳以後も継続して雇用保険に加入し続けられますが、65歳以上の人は新規に加入することは出来ません。これはご存知でしたでしょうか。

    現状では、雇用保険はどうなったら加入できるのでしょうか。

    週20時間以上の労働時間であって、31日以上雇用される見込みであれば、その従業員さんは雇用保険に加入することになります。

    ただし、加入しようとした時の年齢が65歳以上であると加入できません。現状では、65歳以上の人は新規に雇用保険に加入はできないんです。

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    新規にということは、現状ですでに加入している人が65歳以上になった場合には、そのまま加入し続けることができます。これを「高年齢雇用継続被保険者」と呼びます。保険料の負担はありません(労働者側だけでなく使用者側の負担もありません)が、雇用保険の被保険者ではあり続けることになります。退職して再就職を希望するも再就職できなかった場合、被保険者期間が1年以上あれば最大50日分、被保険者期間が1年未満だったら最大で30日分、一時金として受給できる、これが現状の制度です。

    今の制度でおかしいのは、65歳前の退職した場合と、65歳以後も働き続けた場合で、辞めた時に受給できる、いわゆる失業保険の受給額が変わるということです。65歳前で辞めれば100万円受給できるものを65歳以後も働き続けて前述の高年齢雇用継続被保険者になって失業保険を受給すると30万円となってしまい、65歳前の退職か65歳以後の退職かでもらえる金額が70万円も違うなんていう試算もあります。

    これでは、「65歳前に勤めていた会社はやめましょう」と言っているようなものです。

    65歳以後も働き続けてほしい。こんなことから、今回、この点に改正が加わりました。

    来年(平成29年)1月1日以降は、65歳以上であっても雇用保険に加入できるというものです。

    65歳未満の一般の被保険者とは違い、65歳以上の場合には「高年齢被保険者」という新しい区分になります。ただ、辞めた時に受給できる失業保険は、今の「高年齢雇用継続被保険者」と同じ、一時金での受給という点は変更がありません。今回の改正の最も大きなところは、65歳以上であっても雇用保険に加入できるという点が大きな改正です。

    65歳以上であっても働き続けられる環境を整えましょう、ということなんでしょうね。

     

    ここでの注意点はいくつかあります。

    1.雇用保険料の負担です。これは従来通りで負担はありません。現状では、4月1日時点で64歳以上の人は雇用保険の負担はありません。当面、4月1日時点で64歳以上で雇用保険に加入している人については、労使双方ともに負担はありません。

    2. 実際に今、勤務している人に65歳以上の人がいる場合の取り扱いはどうするのか。65歳以上の人で雇用保険の加入条件を満たしている人(週20時間以上の労働時間で、31日以上雇用見込みのある人)については、会社は1月1日から3月31日までに届け出をしないといけません。 届け出して初めて雇用保険の被保険者になれます。

    3.今は保険料の負担はありませんが、平成32年(2020年)4月以降は、今は保険料の負担義務のない4月1日時点で64歳以上の人も保険料の負担が発生します

     

    おおむね、こんなような内容です。

    特に介護事業所では、65歳以上の従業員さんは意外と多いものです。

    とりあえずは会社負担・本人負担は発生しないので、1月以降は65歳以上であっても雇用保険に入らないといけません。従業員さんへの周知徹底と、1月以降の手続きを忘れずにするようにしましょう!

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      さて、10月に入りました。

      最近、私の顧問先からの質問で多くなってきたのが、支払調書のマイナンバーのご質問です。

      報酬を支払っている相手方からマイナンバーの提出を求めないといけないのか」というようなものです。

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      支払調書にマイナンバーが必要なのは、法定調書というのを税務署に提出する必要があるためです。税務署や年金事務所、ハローワークなどの公的機関に支払調書や源泉徴収票などのマイナンバーを記載した書類を提出しなければいけない場合には、マイナンバーを記載した形の書類を各公的機関に提出しないといけないためにマイナンバーを預かるわけです。

      源泉徴収する報酬を支払った場合には、マイナンバーをもらわないといけないということになります。では、源泉徴収する報酬というのはどういうものか、ということが問題になります。これは以下のようなものです。

       

      ・原稿料、講演料、デザイン料など

      ・弁護士、司法書士、社労士、税理士などの士業

       

      こうした報酬の場合、源泉徴収しますので、マイナンバーをもらわないといけません。

      ただ、ここで考えておかなければいけないのが、そもそも支払調書を税務署に出さないのだったら、そもそもマイナンバー自体預かってはいけないということです

      マイナンバーのことを規定した番号法では、その第15条で「必要ないのにマイナンバーをもらってはいけないよ」と規定しています。

       

      では、法定調書マイナンバーが必要ない場合というのはどういう場合なのか?

      次のような場合が考えられます。

       

      ・報酬が年額5万円以下の場合

      ・報酬は支払っていても、支払いの相手先が法人であったり、源泉徴収の対象とならない個人である場合

       

      このような場合には、そもそも支払調書を税務署に提出する必要がないため、マイナンバー自体預かる必要がないということになります。

       

      ただ、上記のマイナンバーが必要ない場合に該当する場合であっても、たとえば、報酬は5万円以下であっても、全員一律、支払調書は税務署に提出するという会社さんの場合、マイナンバーはもらう必要があります。なんだかよくわかりませんか?

       

      私が言いたいのは、実際の事務処理の取り扱いを考えての話です。

      源泉徴収する報酬の相手によって、「この人はマイナンバーをもらう人」「この人は年間の報酬が5万円以下だからマイナンバーはもらわない人」という区別をするのは、事務処理がとても煩雑になります。そのために、報酬を支払ったら全員にマイナンバーをもらうというようにしてしまうということです。

       

      法律上は、所得税法の施行規則(84条)で、「報酬が5万円以下だったら、支払調書は税務署に提出しなくてもいいよ」となっています。「提出しなくてもいい」わけですから、「報酬が5万円以下であっても支払調書を税務署に提出してもいい」ということになります。

       

      この辺の話は、実際に会社で事務処理を担当している方は良くわかる話だと思います。報酬を支払っている人の数が何十人あるいは何百人と多ければ多いほど、いちいち、「この人はマイナンバーをもらう」「この人はもらわない」といって区分するのは大変、煩わしい作業になります。だったら、一律マイナンバーをもらって、報酬は金額の大小にかかわらずすべて税務署に支払調書を提出する、というのが煩わしくないという話です。

       

      いずれにしても、報酬の方のマイナンバーについては、実はマイナンバーの実務では一番、面倒な部分だと思いますので、今から早めに準備されることをお勧めいたします。

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        10月に入ります。早いものです。こうして1年が過ぎていくんですね・・・

        さて、10月から変わるもの、経営上、知っておくべきことがいくつかあります。

        大きなところでは、最低賃金が変わります。↴

        10月から最低賃金引き上げ!最低賃金のチェックをしよう!

        あとは、厚生年金の被保険者数が501名以上の事業所(特定適用事業所といいます)では、社会保険の扶養に入る基準の変更がありました。↴

        パートでも年収106万以上だったら社会保険に入らないといけない!?

        この辺の話は、以前にこのブログでも書いています。

        もう一つ、今日ご紹介するのは、どうなると社会保険に入らないといけないのかという加入基準が変更になったという話です。

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        すでに事業主宛に年金機構からお手紙が届いていると思いますのでそれでご存知の方も多いでしょう。

        従業員さんがどういう状況になったら社会保険に入らなければならないかという基準が、10月1日から少し変わります。

        今までは「1日または1週の所定労働時間及び1か月の所定労働日数がおおむね常勤者の4分の3以上」という基準でした。言ってみれば、結構、あいまいだったわけです。

        それが「1週の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が4分の3以上」となりました。「おおむね」というようなあいまいな基準がなくなりました。

        今までですと、社会保険の算定の調査などの際、だいたい常勤者の4分の3以上の労働時間や労働日数と判断されると社会保険に入れないといけなかったわけですが、その人の所定労働時間及び労働日数が明確に4分の3以上の時に社会保険に加入するという判断になったわけです。

         

        具体的なケースで考えるとわかりやすいです。

        雇用契約書などで所定労働時間や労働日数がわかれば一番、はっきりしています。その雇用契約書上で、月・水・金の週3日(勤務時間は常勤者と同じ1日8時間)の勤務の方がいたとします。常勤者は月から金の週5日勤務です。わかりやすくするために、1ヶ月4週だとすると、常勤者が20日勤務なのに対して、この方は12日勤務です。そのため、4分の3にならないため、社会保険の対象外になります。

        あるいは、雇用契約書上、月から金の勤務ですが、1日5時間労働の人がいたとします。常勤者は1日8時間勤務です。この場合、1週間の労働時間は常勤者は40時間ですが、この方の労働時間は25時間となるため、4分の3未満となり、社会保険の対象外となります。

        気を付けてほしいのは、「1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が4分の3以上の場合」と言っている点です。つまり、労働時間と労働日数の両方が4分の3以上の場合が社会保険の対象だとしている点です。どちらか片方がかけていれば、対象外となります。

        事業主からは、「パートに社会保険を入られると困る」という相談がよくあります。従業員さん側からも、「社会保険に入れば手取り収入が減るから社会保険に入りたくない」というご相談をいただきます。

        対策としては、雇用契約書等で所定労働時間及び労働日数が4分の3に達しないことを明示して、社会保険の対象外となることを明確にすること が考えられます。契約書に所定労働時間及び労働日数が明示されれば、文句の言いようがないはずです。逆に、契約書がない場合、タイムカードなどで「所定労働時間・労働日数はどうなっていたのか」を判断することもあり得る話です。

        ちなみに、言っていきますと、労働契約書に4分の3未満の労働時間や労働日数を明示した契約書を締結すれば社会保険の加入を逃れられると言っているわけではありません。契約書だけ、勤務日が月・水・金の週3日で、実際には月~金まで出勤していて常勤と同じように働いているのであれば、契約書の内容が事実ではないことになってしまいます。私が言っているのは、あくまでも、実際に月・水・金が所定労働日の人でたまたま忙しい時に月~金の週5日出勤になっているような場合、社会保険に加入しなければならなくなるような事態を防ぐために、雇用契約書をきちんと交わして、所定労働時間もしくは所定労働日数のどちらかが常勤者の4分の3となっていることを明示したほうがいいと言っているにすぎません。

        また、特定適用事業所に雇用される人が社会保険に入らないといけなくなる話を以前にもご紹介いたしましたが、この特定適用事業所に雇用される人の場合には、たとえ4分の3未満であったとしても社会保険に入らないといけません。その点も要注意です。

         

        ということで、社会保険の加入基準が変わったことをきちんと押さえておきましょう、という話でした。



        NHKの大河ドラマ「真田丸」。主人公の真田信繁(真田幸村)の義父(信繁の妻のお父さん)は、有名な戦国武将、大谷吉継です。関ヶ原の戦いで敗れ、自害するわけですが、この吉継は、ドラマなどで登場するとき、必ず頭に頭巾をかぶっています。「悪鎗」だったと古い文書には書いてあるそうです。

        今の病気だと、ハンセン病(昔は「らい病」と呼ばれていました)だったのではないかと言われますが、そうではなく、何らかの皮膚病だったとの説もあり、諸説あるようです。

        いずれにしても、いわゆる「障がい者」だったのではないか、と私は思っています。

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        さて、今日のテーマは障がい者です。

        ときどき経営者の方から質問をいただくこともあるものの中に 「障がい者を雇うと助成金が出たりするの?」というご質問があります。

        そこで、障がい者を雇ったときにもらえる助成金について、今日はいくつかご紹介したいと思います。

         

        障害者の関係する助成金には次のようなものがあります。

        ・特定求職者雇用開発助成金

        ・障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)

        ・障害者トライアル雇用奨励金

        ・障害者職場定着支援奨励金

        ・企業在籍型職場適応援助促進助成金

        ・発達障碍者・難治性疾患患者雇用開発助成金

        ・障害者職場復帰助成金

        ・障害者作業施設設置等助成金

        ・障害者職業能力開発訓練施設等助成金

         

        実に10個もあります。まだあるのかもしれませんが、私の手元にあった資料だけでこれだけありました。

        さて、このうち、「特定求職者雇用開発助成金」については以前にもご紹介いたしました。↴

        60歳以上の人や母子家庭のお母さんを雇用すると助成金がもらえる?

        正規雇用で障がい者を採用すると3年間にわたって最大で240万円受給することもできます。この助成金の特徴は、ハローワーク経由で雇い入れすることでした。ハローワークから書類が送られてくる上、申請自体もそれほど複雑ではなく、受給する際の手続きも割と簡単な助成金です。

         

        この「特定求職者雇用開発助成金」ですが、平成28年4月1日からは「トライアル雇用奨励金」との併用もできるようになりました。「トライアル雇用奨励金」も以前にご紹介いたしました。↴

        比較的受給しやすい助成金 トライアル雇用奨励金ってご存知ですか?

        今回の改正は、3か月間のトライアル雇用で「トライアル雇用奨励金」を受給した後、特定求職者雇用開発助成金に移行して、特定求職者雇用開発助成金を続けて受給することが可能になった という改正です。

        たとえば、未経験者をハローワーク経由で採用する場合で、その方が障がい者であれば、この併給のパターンに該当しますので、その点も留意点です。

        また、従業員数が50名以上の会社で、今まで障がい者を雇ったことがない会社さんであれば、 「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」というのもあります。

        従業員数が50名以上の会社では障害者を1人以上雇わないといけません。仮に障害者を雇えない場合、1か月あたり雇えなかった障害者1人当たり5万円を支払わないといけません。(常時雇用する従業員100人超の事業主のみ徴収)

        その障がい者を雇えなかったことによるいわば罰金を払っていた会社が、初めて障がい者を雇う場合にもらえる助成金が「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」です。この助成金は「特定求職者雇用開発助成金」との併給も可能です。ファースト・ステップ奨励金が120万受給できるため、障がい者の雇い入れで特定求職者雇用開発助成金とあわせて200万円以上受給することも可能となります。

         

        それから、もう一つご紹介したいのが、東京都のやっている助成金で、「東京都障害者安定雇用奨励金」というのがあります。

        障がい者を正規雇用で雇い入れた場合や、雇っていた障がい者を正規雇用に転換した場合に受給できる助成金です。障がい者1人当たり120万円受給できます。

        これは東京都独自の助成金です。東京都に事業所がある会社で、障がい者を雇い入れる場合には追加で東京都からこうした助成金も受給できる可能性があります。

         

        いずれにしても、障がい者の雇い入れは助成金が非常に多いです。

        雇い入れを考えている事業主の方は、専門家にご相談いただければと思います。